OPEC、減産見送り 歯止めかからぬ原油安、経済成長戦略にも影
更新対抗勢力のシェールオイルは、石油採掘装置(リグ)の稼働数を減らしても一定量を確保できるまで採掘の技術革新が進み、原油安の影響を受けにくい収益構造に転換。シェールオイル陣営が、囲い込んだ買い手を奪われかねない減産に踏み切る気配は今のところない。
今月中旬にも実施の可能性がある米国の利上げも下押し要因だ。利上げすればドル高となり、ドル建てで取引される原油価格が下がる。
世界経済は中国の景気が減速し、追加緩和の延長を決めた欧州も景気回復の遅れが懸念されている。石油需要は鈍化する傾向にあり、需給バランスの悪化が加速する恐れもある。
ガソリンなどの燃料となる原油を輸入に頼る日本では、原油安は家計に恩恵をもたらす。ガソリンや灯油の価格は下げ幅を拡大し、電気料金も徐々に下がる公算が大きい。
しかし、経済にメリットばかりではない。足元の物価を下げることになるため、日銀の2%物価上昇目標の足かせとなり、安倍晋三政権が目指すデフレ脱却が遠のく可能性も出てくる。「新三本の矢」で物価上昇を前提に強い経済の目標として掲げた名目の国内総生産(GDP)600兆円の達成にも影響を及ぼしそうだ。
