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円高・株安・物価低迷… それでも追加緩和に慎重な日銀の事情とは

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円高・株安・物価低迷… それでも追加緩和に慎重な日銀の事情とは

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 2つ目は英国のEU離脱を問う23日の国民投票だ。日銀の追加緩和で一時的に円高を食い止めても、国民投票で「離脱」が決まれば世界の金融市場は再び混乱し、「追加緩和の効果をかき消してしまう」(第一生命経済研究所の藤代宏一氏)とみられる。

 3つ目は7月10日投開票の参院選だ。「大胆な金融政策」はアベノミクスの第1の矢だが、今回の自民党の公約では言及されなかった。政府関係者からは「選挙前に、市場の混乱を招く追加緩和はやめてほしい」との本音が漏れる。

 短期金融市場の資金仲介を手がける上田八木短資が14日公表したアンケートで「(追加)緩和」予想は10%にとどまった。ただ、「黒田東彦(はるひこ)総裁はことごとく市場の裏をかくあまのじゃく」と不安視する投資家は多い。金融政策決定会合は市場の「リスクイベント」と化しつつある。(藤原章裕)

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