日銀黒田総裁、決定会合で追加緩和見送りも「必要あればする」と強調 円高は「好ましくない」
更新日銀は16日の金融政策決定会合で、追加の金融緩和を見送り、現行のマイナス金利政策の維持を賛成多数で決めた。ただ、日米の金融政策に変更がなかったため、急速に円高ドル安が進んだ。日銀の黒田東彦総裁は同日の記者会見で、「こうした形の円高が日本経済や将来の物価上昇率に好ましくない影響を与えるのは事実」との考えを示した。
英国の欧州連合(EU)離脱への懸念が強まれば、「1ドル=100円割れ」が視野に入る。黒田総裁は「経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)を反映しない円高は好ましくなく、2%の物価目標実現のために必要があれば、追加緩和する」と強調した。
マイナス金利政策の導入から4カ月が過ぎ、民間銀行では住宅ローンや貸し出しの金利を引き下げる動きが広がる。個人消費の低迷は続くが、日銀は消費税率引き上げが2年半再延期されたことも物価上昇にはプラスとみており、今回の会合で「基調としては緩やかな回復を続けている」との景気判断を据え置いた。
このため、約80兆円の資金を市場に供給する大規模緩和と、銀行が日銀に預ける資金の一部に年0・1%の手数料を課すマイナス金利政策を続ける。
