リトアニアを訪ねて~必要不可欠な国際化 デザインに舵を切る企業たち
カウナスは2022年に「ヨーロッパ文化首都」というユネスコのプロジェクトの主舞台になる。中世の街並みがある首都ヴィルニュスはとても魅力的だ。それでもまずはテクノロジーとデザインの力で輸出立国になるのが先決である。
ぼくはリトアニアに行く前から、この国のことを色々と調べ始め、EUのなかでの開発途上国との位置づけで見ていたことがやはり多い。歴史の分断と文化アイデンティの再構築にどう立ち向かうかは大きな課題だ。
実際に足を踏み入れ、開発途上国的な課題と思わざるを得ないことも多々ある一方、グローバルな変化のなかで先進国かどうかを問わず、どこの国の企業も直面する問題に対してリトアニアが決して不利なポジションばかりではない、ということも実感した。
殊に欧州委員会との付き合い方に心得がある。EUは理念先行型と大国の一部の市民は批判的であるが、開発途上の小国にとって理念先行はマイナスにならない。
かつてイタリアの地方のスタートアップは地銀と自治体の世話になったが、現在はEUから直接資金を得る場面が少なくない。小国と大国の地方が、こうしてダブってみえてきた。(安西洋之)
【プロフィル】安西洋之(あんざい ひろゆき)
上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『デザインの次に来るもの』『世界の伸びる中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)とフェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih
ローカリゼーションマップとは?
異文化市場を短期間で理解するためのアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だが、異文化の対象は海外市場に限らず国内市場も含まれる。