【道標】新薬承認「ランダム化比較試験」不要通知 安全性の軽視、あってはならない
更新例えば降圧剤や血糖降下剤は血圧や血糖値を下げるだけでは本当に値打ちのある薬とはいえないため、60年代に寿命を伸ばす効果があるかどうか確かめる大規模なRCTが実施された。しかし証明はほとんどできず、70年代には、脳卒中や心臓病を減らせばよい、となった。米国の62年の法律では2つのRCTを要求していたのに、90年代に1つに緩和された。
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現在使われている医薬品の大半はこの手法で承認され、さまざまな問題を生み出している。心臓病死を増やすとして欧州では健康保険の対象から外された降圧剤が、日本ではまだ売られている。
米国では「偽薬に劣っていなければ良い」との強引な解釈もなされるようになり、日本を含む各国で、心臓病を減らすことのできない糖尿病用の薬剤が高い薬価で売られている。だが、この手法をどの薬剤にも適用するわけにはいかない。
そこで考えられたのが、未承認の物質を患者が「試用する権利」だ。米国でこれを認める法律が昨年上院を通過したものの、このほど下院で否決された。試用で被害が生じても企業は責任を取らない。「患者の権利」を前面に出した企業の責任回避策である。
日本ではそれが昨年10月20日付の厚労省の課長通知「条件付き早期承認制度」により、可能とされてしまった。薬剤を使った患者を追跡する「観察研究」を承認後に実施することを条件に、少人数で試しただけで承認するという。
