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ネコ殺処分減に「ふるさと納税」 和歌山に全国から1800万円と予想外の反響

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GCFの手法に着目

 その際、ふるさと納税を活用して全国から寄付を集める「ガバメント・クラウド・ファンディング(GCF)」の手法に着目。動物愛護を目的に神奈川県や広島県神石高原町などが取り組んでいる手法で、和歌山市は昨年5月からふるさと納税の総合サイト「ふるさとチョイス」を通じて寄付を呼びかけた。

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 受付期間は12月末まで。通常のふるさと納税と異なり返礼品はないにもかかわらず、千人以上から寄付が続々と集まり、期限まで1カ月以上を残した11月27日に目標額を達成することができた。

 近年の全国的な殺処分ゼロ運動の盛り上がりやネコブームなどもあり、大きな反響を呼んだようで、クラウドファンディングのサイトには寄付した人から次のようなコメントも寄せられた。

 「ネコの不妊手術のプロジェクトを立ち上げてくれて感謝している。(和歌山市が)動物に優しい街に変わることができてうれしい」

 「和歌山市のネコに役立つこと、またこの活動が日本全国に広がっていくことを願っています」

 「近い将来、イヌやネコの『殺処分ゼロ』が当たり前の世の中になり、人間と幸せに共存できる社会になることを心から祈っている」

 市保健所動物保健班の広岡貴之班長は「全国的な動物に対する愛情の表れ。市としては初めての試みで、正直(これほど)集まると思っていなかった。殺処分の問題を真剣に受け止めてくれた証し。心が引き締まる思いです」と感謝する。

 市によると、市の保健所ではネコを最大12匹しか保護できないが、センターが完成すれば50匹まで収容可能になり、引き取ってもらえる人を探す期間も長くなるという。

 寄付を活用して手術の設備などが整備されると、これまでできなかった去勢手術や感染症など病気への治療が実施できる。譲渡される飼い手の金銭的負担が減少するほか、去勢手術でネコの性格が穏やかになり、飼い手も探しやすくなるという。

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  • 和歌山市の動物愛護センターの完成予想図(市提供)

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