異常事態の連鎖 見えない出口…パンデミック宣言1カ月の世界と経済
新型コロナウイルスの急速な感染拡大に備え、政府は宣言に先立つ10日に「緊急事態宣言」を可能にするための新型インフルエンザ等対策特別措置法改正案を閣議決定し国会に提出。同13日の参院本会議で可決、成立した。
3月下旬の時点で政府の認識は「今の段階においては緊急事態宣言ではないが、瀬戸際の状況が続いている」(安倍首相)というものだったが、急速な感染拡大を受けて、東京都の小池百合子知事が25日、週末の外出自粛を要請。4月に入ると都の1日当たりの感染者数は100人を突破、オーバーシュート(爆発的な患者急増)による医療崩壊が現実味を帯び始めた。
これを受けて首相は4月7日、「医療提供体制が逼迫(ひっぱく)している地域が生じていることを踏まえれば、もはや時間の猶予はないとの結論に至った」として、東京、大阪など7都府県を対象に緊急事態を宣言。不要不急の外出自粛や休業要請、学校の休校も続き、出口は今も見えてこない。
「ここまで急速に感染が拡大し、五輪が延期になるとは思わなかった」。ある都幹部はこう打ち明けた。
【海外】
新型コロナウイルスの発生源である中国で感染拡大が落ち着く一方、ウイルスは欧米に広がって猛威を振るい、医療崩壊を現実のものにした。中国は「コロナ収束後」の影響力拡大もにらみ、欧米などへの医療支援をアピールする。パンデミック宣言から1カ月後の世界では、こんな皮肉な構図が鮮明になっている。
WHOの集計によると、パンデミックが宣言された3月11日時点で中国の累計感染者数は約8万1千人、死者は約3100人。イタリアでは感染者が1万人を超えていたが、フランスやスペインでは2千人以下、米国では約700人だった。
1カ月後の今、米国の感染者数は50万人まで爆発的に増え、死者も約1万9千人に上る。スペインの感染者数は15万8千人、イタリアは14万7千人、フランスは12万5千人となった。欧米の多くの国で厳しい外出制限措置がとられている。