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国際社会で広がる台湾支持、世界に貢献する「善良なパワー」

さらなる交流深化を祈念

日華議員懇談会会長、衆議院議員・古屋圭司

 台湾の双十節を心よりお祝い申し上げます。

 国慶双十節には毎年、日華議員懇談会(日華懇)は祝賀団を結成し台湾を訪問していますが、昨年は外国の訪問団として初めて、総統府前での祝賀パレードに参加しました。沿道で多くの台湾の方々が立ち上がって手を振っていただいたのが印象的でした。

 今年1月には、蔡英文総統が過去最多得票で再選され、その直後に私は日華懇会長として台湾を訪問し、蔡総統と会談いたしました。今後は、日米台の議員外交をはじめ、自由、民主主義、法の支配という基本的価値観を共有する国々が、平和と安定のため積極的に連携していきます。

 新型コロナウイルス感染症により世界は一変しました。世界中が感染拡大で危機的状況に陥る中、台湾は見事に感染症対策を講じ、コロナウイルス感染症の封じ込めに成功しました。

 そして、台湾は積極的な医療支援を世界各国にされる中、日本にマスク200万枚、医療用ガウン5万着をはじめとする多くの支援をしていただきました。全国の都道府県知事、医療機関や特別支援学校などから多くの感謝のメッセージが寄せられました。

 いまだ収束の兆しが見えないコロナ感染症ですが、今こそ、台湾の知見を世界に生かすべきです。われわれは一貫して、世界保健機関(WHO)への台湾の参加を支持してきました。保健衛生分野をはじめとする国際機関への積極的な参加をこれからも支持します。

 7月30日に李登輝元総統がご逝去されました。日本人以上に日本の精神文化を理解し、私たちに勇気と希望を与えていただきました。日台関係に多大なるご貢献を頂いた李登輝元総統に、日本として弔意を伝えるべく、森喜朗元首相を団長に世界で最初の弔問団として、コロナ禍での特別な条件の下に8月9日に台湾を訪問。その後再び台湾を訪問し、9月19日の告別式に参列いたしました。

 さまざまな困難に世界は直面していますが、古き良き友人であり、強い信頼関係と絆で結ばれた台湾とともに、東アジアをはじめとする世界の平和と安定のために共に歩んでまいります。

 結びにあたり、台湾のますますのご繁栄と日台間のさらなる交流の深化を祈念いたしまして、お祝いのごあいさつとさせていただきます。

「先手防疫」が世界の模範に 経済回復も先頭を切る

 米国の月刊誌「ワイアード」が9月9日に発表した今年の「状況を改善した25人」に、台湾から蔡英文総統、陳建仁前副総統、唐鳳(オードリー・タン)行政院政務委員(IT担当)の3人が選ばれた。理由は「断固とした行動が防疫の成果をもたらした」だった。新型コロナウイルスが世界で猛威を振るう中、どこよりも先に的確な対策を講じた台湾の「先手防疫」が評価された。

 台湾の新型コロナの感染者は9月中旬時点で約500人、死者は7人。世界の主要国と比べかなり低く抑えられている。感染者の8割が海外での感染で、域内感染は60人を下回る。

 台湾の疾病対策センターの感染症専門家、荘銀清医師は「世界保健機関(WHO)のメンバーではない私たちは、常に世界各地の感染症発生に細心の注意を払い、すぐに臨戦態勢を取る習慣ができていた」と台湾がいち早く行動した理由を振り返った。

 台湾の感染症専門家は昨年12月中旬から中国国内のインターネットの書き込みなどを分析した結果、武漢での「新しい肺炎の流行」に気づいた。荘氏らは今年1月に武漢に赴き、病院などで感染状況を確認。報告を受けた台湾当局は1月20日に対策本部を立ち上げ、同23日から中国との人的往来を実質的に遮断した。その後、海外からの帰台者などリスクのある人に14日間の隔離を義務付けるなど、厳しい水際対策を行った。

 感染抑制に成功したもう一つの大きな理由は、「全員マスク」を徹底したことだ。その背景には、当局主導でマスクの生産ラインを海外から調達し、短期間で生産能力を10倍以上に拡充した鮮やかな対策があった。防疫の成功を受け、台湾では4月、世界に先駆けてプロ野球を開幕できた。

 また、4月からは国際社会にマスクや医療物資の支援を始めた。感染拡大が深刻な米国や欧州連合(EU)などに対し、「Taiwan Can Help(台湾は助けることができる)」を合言葉に、マスクや医療用ガウン、人工呼吸器などを提供した。日本へのマスクの支援は民間を含めると1千万枚以上となった。台湾の支援は中国と異なり「自国産の商品購入」などの条件を付けず、品質も良く安心して使えると歓迎されている。

 台湾はまた、消費活動の活性化を目的とした振興券を市民に配布するなど、景気対策にも力を入れた。コロナ禍の影響で、主要各国の経済が大きく落ち込むなか、台湾の民間消費は回復しつつあり、強みの半導体輸出なども好調だ。台湾の行政院(内閣に相当)は8月、2020年の実質経済成長率は前年比1.56%増、21年の成長率は3.92%増との見通しを発表した。台湾は周辺地域の中で、いち早く経済の回復が実現できそうだ。

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