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緊急事態宣言“再発令”企業はどう乗り切る? 危機管理専門家の見解は

SankeiBiz編集部
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最悪の事態を想定するのが危機管理

――西村経済再生担当相は宣言解除の目安の一つとして、東京都の場合は新規感染者が1日あたり500人程度まで下がることを挙げています。

福田教授:

 仮に新規感染者が1日あたり500人程度になり、その段階で解除したとしても、またすぐに感染が拡大する恐れがあります。そうなったらまた、3月にも緊急事態宣言を出さなければいけないという事態になりかねません。こういった中長期的に繰り返していくつもりなのでしょうか。政府がどこまで戦略的に考えているのか、この点は疑問を持っています。「1カ月は我慢してください」と言いながら、また場当たり的ともいえる戦術的な緊急事態宣言を出さなければいけなくなるかもしれません。

 例えば、医療従事者を対象にワクチンの接種を2月下旬から始めたとして、3月からは高齢者、4月からは基礎疾患を持っている人と対象を広げていくと、一般の成人全体を考えたときに、いつ接種が終わるのか、というのがあります。そのころにはまた、感染力の強い別の変異種が出ているかもしれません。最悪の事態を想定するのが危機管理です。その観点で言えば、ワクチンの接種開始が緊急事態宣言の解除、そして経済活動の再開へとつながらないかもしれないのです。

 飲食店だけでなく、あらゆる企業にとって、この状況がいつまで続くのか分からないというのが現状です。事業を継続しようにも資金繰りも立たず、いつまで我慢すればよいのかという先が見通せない状況が続いています。企業や個人事業主が中長期的な計画を立てられるよう、政府には具体的なロードマップを示してほしいと思っています。

福田充(ふくだ・みつる)

 日本大学危機管理学部教授、同大学院新聞学研究科教授。兵庫県西宮市生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(政治学)。内閣官房委員会委員、コロンビア大学戦争と平和研究所客員研究員などを歴任。著書に『メディアとテロリズム』(新潮新書)、『リスク・コミュニケーションとメディア』(北樹出版)、『大震災とメディア~東日本大震災の教訓』(北樹出版)など。内閣官房・新型インフルエンザ等対策有識者会議メンバー。

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SankeiBiz編集部 SankeiBiz編集部員
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