そうなると現実的なのが、銀行で受け取るのではなく、ショッピングセンター「SMモール」などの非金融機関で受ける方法だ。銀行口座を持っていない7割のフィリピン人にとっては、銀行は身近な存在ではなく、非常に敷居が高い縁がない存在なのだ。
「あなたに送金する義理はない」のに…
さて、著者以外にも同じようなフィリピンからのSNSヘルプを受け取った知人女性がいた。彼女は2020年の正月休暇をセブで過ごした。移動には1週間ほど滞在したホテルの専属車を利用していたそうだが、送迎やピックアップに便利だからと、日本では馴染みが薄いがシェア世界1のチャットアプリWhatsApp(ワッツアップ)の連絡先をドライバーへ伝えていた。「50ドル送金してほしい」とのヘルプメッセージはそのワッツアップへ届いた。
彼女の性格なのか、「10年、20年世話になっているとか昔からの友人であれば喜んで助けるけど、あなたに送金する義理はない」ときっぱりと断りの返信をしたそうだ。
すると、1か月後にまた同じようなSOSが届いたそうで、連絡先を削除したと話す。
SNSの普及でメッセージ送信コストと手間がかからなくなったので、昨今の世情も相まってか、著者が受け取ったようなヘルプメッセージがフィリピンから世界中へ飛んだのであろうか。(筑前サンミゲル/5時から作家塾(R))