大丸有スタートアップ・レポート

イノベーションで日本を再興 大丸有にスタートアップが集まるわけ

万象寛子
万象寛子

 国や地方自治体もイノベーションとエコシステムづくりには力を注いでいる。国は昨年6月に、「スタートアップ・エコシステム拠点形成戦略」を発表した。世界に伍する日本型のスタートアップ・エコシステムの拠点の形成を目指すもので、地方自治体、大学、民間組織等が協働してスタートアップ・エコシステムの形成に取り組む「エコシステム拠点都市」を認定、認定拠点に対し、政府や民間サポーターによる集中的な支援を実施する。東京都も、「スタートアップ・エコシステム 東京コンソーシアム」を今年1月に立ち上げた。国際都市間競争に打ち勝つため、エコシステムの形成を軸にした成長戦略を展開、国が発表した同戦略における拠点都市として選定を受けるべく準備を進めている。

 この「イノベーション」と「エコシステム」の土壌づくり、大丸有では20年以上前から続けられてきたことだ。大丸有で30棟のオフィスビルを所有または管理する三菱地所は、19世紀末より、大丸有のまちづくりを担ってきた。日本初となるオフィス街の整備をはじめ、まちの多機能化、ソフト化などを推進しており、近年、大丸有エリアを「スタートアップと大企業の交流拠点」と再定義した。まちを「人や企業が集まることで、新しい発見や出会い、アイデアやイノベーションなど、新たな価値を生み続ける舞台」と捉え、イノベーション創発とデジタル基盤の強化に注力している。

 同社がイノベーション創発やエコシステムの形成に本格的に着手したのは2000年頃。ベンチャー支援組織「丸の内フロンティア」の立ち上げにまで遡る。以降、次々とスタートアップ拠点となる交流・事業成長拠点を開設し、入居する海外の成長企業や国内スタートアップの成長をサポート。そのスタートアップの成長実績が、別の新たなスタートアップを惹きつける要因の1つとなっている。

 複数の交流・事業成長拠点が集中

 それでは、交流空間・事業成長拠点ではどのようなサポートが行われているのか。現在、三菱地所が手掛けるスタートアップ拠点は主に4施設。国内外の成長企業を対象とした事業開発支援付サービスオフィスと、会員制ビジネスクラブ「東京21cクラブ」で構成される「EGG JAPAN」、国内の最先端スタートアップや海外成長企業の拠点となっている「Global Business Hub Tokyo(グローバルビジネスハブ東京)」、フィンテック領域のスタートアップが集まる「FINOLAB(フィノラボ)」、AI・IoT・ロボティクス技術などを扱う企業が利用する「Inspired.Lab(インスパイアード・ラボ)」――があり、4施設合計で約150社のスタートアップが入居する。

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