大丸有スタートアップ・レポート

ヒトが世界と直接つながる IoTのその先「IoP」が拓く未来

万象寛子
万象寛子

 生活に不可欠な情報のプラットフォーマーに

 久田氏の描く、企業としての将来像は、「社会に必要な情報のプラットフォーマー」だ。「こうなったら便利だろう」と、あくまでもユーザー目線で未来のライフスタイルを思い描きながら、生体情報や生体行動に関する画像解析やビックデータを用い、衣・食・職・住や金融に関するサービスやプロダクトをクラウド上で各事業者に提供していく。SaaS(Software as a Service)にも近い。

 基本的にはBtoBのビジネスを志向するが、企業が投資しにくい未発達の領域には、市場づくりのために自ら先行投資してBtoCも手掛けていく方針だ。例えば「食」の領域。レジレス型食料品店舗「FANTRY」がその1つだ。購買客が冷蔵庫(店舗)から商品を取り、購買客自身がスマホアプリで商品のバーコードを読み取って決済できるようにしたもの。目的は、従来、ヒトが担っていたレジの役割を購買客本人が行うことで、店舗を省人化すること、また、購買履歴のデータを活用して最適な商品の仕入れを行うことで、購買客の嗜好にあった商品を揃えて食品ロスを削減することにある。「食のEC化率は2%と低く、そうした市場に対して企業はなかなか投資に踏み切れない。しかし、企業に求められてから準備していたのでは遅い。マーケットトレンドが変わったとき、すぐサービスを提供できるよう自ら投資した」(久田氏)。

 そんな久田氏がいま、関心を持っているテーマは「経済のローカル性」だ。「中央集権的な市場や都市のなかで資本主義が発展してきたことは事実。また、今の生活は、パソコンの前に座ってお金を稼いで、カットされた食べ物を食べて、あらゆる場面で専業・分業が進み、便利にもなったが、社会生活が“分断”され、一連の営みからかけ離れて本質がわかりにくくなっている気がする。自分のビジネスがどこまで貢献できるかわからないが、人類にローカル性を取り戻すようなことが何かできないか。ペイフォワードの精神で考えていきたい」(久田氏)。また、新しい未来が始まっている。

まち、ひと、会社や事業などを通じて、世相や風俗を観察し、現代の有り様や人類社会の未来を考えたい人。プレーヤー(事業者)サイドと観察者(取材記者)サイドを、会社をまたがって行ったり来たりしている。対象分野は、まち、都市、住宅、不動産、生活、アート。性格診断テスト(16 Personalities)によると、「広報運動家型」。好物は創意工夫。

【大丸有スタートアップ・レポート】では、「大丸有エリア」と呼ばれる日本随一のビジネス街、大手町、丸の内、有楽町に集う期待のスタートアップ企業を紹介します。新時代の日本を切り開くイノベーションの担い手となるか。要注目です。アーカイブはこちら

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