大企業との共創で大切なのは、共感しあえているかどうか
イベントの最後、モデレーターの鎌田さんからお2人に対してこんな質問が投げかけられました。
「ベンチャー企業が世界に向かって飛躍していくためには、他企業との協業が大きな鍵となります。両社はこれまで大企業との協業を次々と成功させてきました。協業において大切にしてきた視点などはあるのでしょうか?」
この質問に対して、トヨタ、ファナック、エネオス、中外製薬、東京エレクトロンなどと協業を進めてきたPreferred Networks、川崎重工業株式会社、株式会社デンソー、大日本印刷株式会社、凸版印刷株式会社、広島銀行や大垣共立銀行と資本、業務提携を実現してきたGlobal Mobility Service両社の視点が語られました。
長谷川さん「機械学習や深層学習を生かしたサービス開発をご提案すると、現場プレイヤーからは『この技術を導入すると、僕たちの仕事がなくなってしまいませんか?』と質問をされることがあります。このような短期的な視点から判断されてしまい、協業が進まないケースも少なくはありませんでした。だからこそ、協業を進める際には、経営層と直接話すことを大切にしています。長期的な視点から同じ未来を見て、新たな価値を一緒に共創できるパートナーと協業を進めることが、なによりも重要だと考えています」
中島さんも、この言葉に深く頷きながら話を続けます。
中島さん「長谷川さんがおっしゃる通り、お互いの力を合わせて新たなサービスを生み出していくためには、長期的な関係性を見据える必要があります。協業レベルであれば、利害関係が一致しているだけでもよいかもしれません。しかし、資本提携など長期的な関係性を築くのであれば、どの方向を向いて進んでいくのかという理念レベルで、共感しあえていることが大切ではないでしょうか」
テクノロジードリブンベンチャーとして世界で活躍する2社から語られた競争力維持の工夫と、影響力をさらに拡大するためのパートナーとの共創のポイント。これから世界に羽ばたこうとするベンチャー企業や、新しい価値を生み出そうとしている大企業にとっても参考になる部分が多かったのではないでしょうか。登壇してくださった2社の今後にも注目です。
【CONNECT in 丸の内】では、三菱地所が運営する国内外のスタートアップとそのサポーター約600名が集う起業家支援コミュニティ「東京21cクラブ」による、イノベーション創出支援を目的とした活動の一部をご紹介します! アーカイブはこちら