オープンイノベーションの手引き

ステップ(4)“痛み”に鈍感な大企業 まずやるべきことは「自社分析」

TOMORUBA
TOMORUBA
  • 「ひとつのミスなく経理処理を期日までに終える」
  • 「月次の営業予算を達成する」
  • 「納期までに開発を終える」

 仕事が、企業においてなぜそう定義され、意思決定され、遂行されているのか。スタートアップの場合、創業社長が近くにいて意思決定や戦略も感じやすく、自身の仕事・ミッションの遂行が、会社の何を担うのかを理解しやすい。規模が小さいからこそ、「生き残る」ことに貪欲であるし、必死だ。わずかな風でも吹き飛ばされる。小さいからこそ危機を常に感じている。

 大企業の場合、風が吹いても飛ばされない。創業社長がすでにいないケースも多い。多くの社員が在籍し、意志決定機関との距離もできる。そうなると、戦略を肌で感じることは難しい。戦略は「戦う」という文字を使う。戦う理由、戦い方、戦いの先を感じられないことは、仕事の陳腐化を意味する。そうして今ある痛みに気づけなくなる。これから来る痛みを察知できなくなる。仕事を陳腐化させることは「機会」の発見から遠のくことをも意味し、企業は衰退する。

ではどうするのか

 必要なことは、まず「自社を理解する」ことだ。社長含め経営幹部、中間管理職、そして全社員が、自社を理解することが非常に重要だ。

(1)自社の存在意義:

 そもそもなぜ会社として自分たちは存在するのか。なぜ設立され、何をする会社なのか。これを理解し、共通言語を社員全員でもつこと。ここがスタートだ。

(2)自社を取り巻く環境:

 そのうえで、今、世の中はどうなっているのか。どんな変遷をたどり、どうなっていくのか。その現代において、自分たちがすべきことは何か。

 自社がすべきこと((3)自社がとるべき方向性の可視化)が明らかになってくればその方向に向かって全社員で進むだけだ。方向性は仮説と検証の繰り返しである。「思考し試す」ステップであり、まさに戦い方、戦略そのものにリンクする。

 大切なことは、(1)(2)(3)の順で整理したものを全社員で共通の理解にしておくという点である。自社の存在意義と自社を取り巻く環境分析は、そう簡単には覆らない。ただし、この(1)(2)(3)は、常に問い続け、常に分析し続けることが大切で繰り返すことに意味がある。このステップを繰り返すことは、大企業が息を吹き返し、戦意を取り戻すことにつながる。危機感の発見に繋がることも往々にしてある。「このままでいい」企業など世の中に存在しないからだ。

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