社会・その他
まるで「オフィス難民」…大阪の中心部、訪日客増・人手不足で物件需給逼迫
3月末の賃貸契約の期限が迫るなか、知人の紹介でたどり着いた物件は、約200平方メートルと希望を満たせなかった。入江さんは「狭いのは覚悟した。理想にかなわず、『やれやれ』という思い」と話した。
オフィス仲介の三鬼商事によると、3月の大阪市内の平均空室率は前月より0.26ポイント低下し、2.45%となった。100件の部屋のうち、2、3室しか空室がないという計算だ。空室率は、昨年11月から5カ月連続で低下し、1%台だったバブル末期の平成3年ごろに近づきつつある。物件探しが長期化し、「オフィス難民」の様相を呈する企業が増える可能性がある。
オフィスビルはホテルに
オフィス不足には、さまざまな要因がからみあう。
一つは関西での外国人旅行者の増加だ。大阪の外国人旅行客は7年連続で増加し、昨年は1141万6千人。それに伴って宿泊ニーズが高まり、ホテルの開業が相次いでいる。
28年3月にオープンした大阪市中央区の「からくさホテル大阪心斎橋I」は、オフィスビルからのコンバージョン(用途変更・転用)だ。
運営会社の「からくさホテルズ」(東京)は、「更地から新築すれば通常14カ月かかるが、転用で建設期間を8カ月に短縮できた」と説明する。京都と合わせて自社ブランド第1号となる進出で、早期開業を目指したという。
29年開業の「モクシー大阪本町」(大阪市中央区)、昨年開業の「オークウッドホテル&アパートメンツ新大阪」(同市淀川区)もオフィスビルからの転用だ。
「最近では、土地オーナーが収益性の高いホテルを建設しようとする傾向が強い」(マンション業界関係者)ため、都市中心部では宿泊施設の増加に拍車がかかり、オフィス供給が細る構造が生まれている。