社会・その他

ディオールからもラブコール、西陣織が内装材に 伝統技術、住まいのデザインに変身

 しかし、20年に大きな転機が訪れた。米ニューヨークで開催された展覧会で帯を出品したところ、建築家のピーター・マリノ氏の目に留まり、ディオールの店舗内装材に採用されたという。

 「ディオールに求められたのは通常の帯よりも広い幅にすることでした」と細尾さん。1年かけて幅32センチから150センチまで広げた織機を開発。その後、ディオールの壁面材を実際に見たクライアントから依頼が相次いだ。

 海外のマーケットが望むのは日本の伝統的な和柄ではなく、長く培われた技術を使った現代的なデザインの布だった。とはいえ、西陣織は公家や貴族などを顧客に花開いた品で、これは世界のハイブランドと同じスタンスだ。

 壁面の内装材やソファなどのインテリア部門の売り上げは、平成21年には2千万円になった。現在は、従来の呉服事業が売り上げの80%で、インテリア部門は20%だが、今後5年以内に呉服事業とインテリア部門をそれぞれ50%にしたいという。

 「職人を目指す若者も実際に増えている」と細尾さん。作業が細分化され、地域で受け継がれた伝統は、一度灯が消えてしまえば途絶えてしまう危惧がある。しかし、細尾さんは「こうした挑戦など伝統工芸が多様化することで、職人を目指す若者も増える」と期待を込める。

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