ビジネストラブル撃退道

従業員のSNS発信が思わぬ「社員テロ」に… 不適切投稿で吹っ飛ぶ商機

中川淳一郎
中川淳一郎

 「バイトテロ」ならぬ「社員テロ」

 私はツイッターで過去に何度も炎上しているが、結局はフリーランスで雇い主がいないだけに、解雇やら懲戒処分等によって私のことを懲らしめてくれるであろう主体が存在しないのである。さらに言うと「口が悪い人間」というイメージがあるため、「たいへん申し訳ありませんでした」などと言う必要もなく「うるせぇ、ボケ」と逆に罵られて終わりになってしまう。

 現在SNSの使用が禁止になっているのには理由がある。過去にやらかしてしまった者がいるのである。聞いた話だと、とあるCMで女性アイドルを起用し、撮影したことをSNSに投稿してしまった例があるのだという。そりゃそうだろう。美人のアイドルが自分の目の前にいて、何千万円もかけたCM撮影の現場にいることをSNSに書くことは承認欲求をかなり満たしてくれる。

 「いいね!」が次々とつき、ファンからは「羨ましいです~♪ 〇〇ちゃんに『頑張って!』と言っておいてくださいね」なんてコメントでもつこうものなら「言っておきますね~。今、休憩中でイチゴ食べてます♪」なんて書きたくなってしまう。

 CMのキャラが誰になるのか、というのは秘匿事項であるし、ライバルには絶対に知られたくないもの。とにかく準備段階のものを公の場に出すことは慎まねばならないのである。そんな危険性があるSNSでの情報発信なだけに、大企業が慎重になる理由は理解できる。分別のつかぬ若者がやりがちな「バイトテロ」ならぬ「社員テロ」「仕事仲間テロ」である。

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