今日から使えるロジカルシンキング

高島屋のとなりに高島屋の理由 「勝負どころ」の見極め方

苅野進
苅野進

 服屋と聞くと、センスのよい洋服を見つけてきたり、自らデザインしていかにそれらを売るのかという仕事をしているように思えるのですが、古くからのプレイヤーたちは、服屋のビジネスをVC分析で分解し、どこで勝負をするのかについて思い切った選択をしていることがわかります。

 ちなみにZOZO(ゾゾ)は服販売業だと思われていますが、こちらも自ら在庫を抱えて販売しているわけではありません。従来の服メーカーにとって、WEBサイトを作成し、課金をして、発送するのは非常に手のかかる作業です。ZOZOはそれらを代行している企業です。各服メーカー側は自社の商品をZOZOに送付するだけです。ZOZO側がWEBサイト「ZOZOTOWN」用に(1)モデル着用撮影(2)受注(3)課金(4)発送までしてくれるので利用しているのです。

VC分析で勉強の問題点も見えてくる

 サービスや作業を大雑把に捉えるのではなく、流れを細かく分解することで「どこに強みや弱みがあるのか」「どこに注力すべきか」を考えると、より効率的に結果を出すことができるのです。

 たとえば「勉強を教えてもらう」ということを考えるとき、多くの人は「先生に問題を解説してもらう」ことを想像します。「塾に通う」などを考えるときも同様です。しかし、ここで「学習」を分解してみましょう。

 大まかに分解してみました。実は、多くの生徒は「自宅での復習」に問題があることが多いのです。そして、ここにこそプロの指導が有効だったりします。こういった分解・分析をせずに「成績が伸びない」→「プロに解説してもらう」という打ち手に時間を割いていても結果が出ないのです。最近では、ここに着目して「授業をしない塾」というサービスも出てきています。

 当たり前のように捉えているサービス・作業をVC分解し、取捨選択するだけで新しかったり、それまでと違ったビジネスが生まれるという好例です。

苅野進(かりの・しん)
苅野進(かりの・しん) 子供向けロジカルシンキング指導の専門家
学習塾ロジム代表
経営コンサルタントを経て、小学生から高校生向けに論理的思考力を養成する学習塾ロジムを2004年に設立。探求型のオリジナルワークショップによって「上手に試行錯誤をする」「適切なコミュニケーションで周りを巻き込む」ことで問題を解決できる人材を育成し、指導者養成にも取り組んでいる。著書に「10歳でもわかる問題解決の授業」「考える力とは問題をシンプルにすることである」など。東京大学文学部卒。

【今日から使えるロジカルシンキング】は子供向けにロジカルシンキングのスキルを身につける講座やワークショップを開講する学習塾「ロジム」の塾長・苅野進さんがビジネスパーソンのみなさんにロジカルシンキングの基本を伝える連載です。アーカイブはこちら

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