社会・その他
インスタ映え目的で大量の食べ残しが批判の的に 法的責任は問えず?
やがて淘汰される?
なぜ人はこうした行為に走るのか。
近畿大の清島秀樹名誉教授(現代文化)は、SNSにありがちな他者から認められたい「承認欲求」に加え、日本で古くから根付く「食の遊び化」が行き過ぎた結果と指摘する。
清島氏によると、日本人は豊かさを得る過程で、「食」を生存に必要なものとしてだけでなく、その中に遊びを見いだすようになったという。そうした風潮は江戸時代から存在したとされ、当時の江戸っ子は人気の料理などをランキング化し、横綱や大関などと相撲のように番付にして楽しんだ。現代でいえば、メガ盛りブームや大食いタレントの登場、グルメ漫画の人気、なども「遊び化」の一つにカテゴライズされる。
こうした経緯から、大量注文の食べ残しも「広い意味での食の遊びといえる」と清島氏。その上で今回のケースを「たちが悪く低次元なもの」と厳しく批判し、「周囲から反応が得られなくなったり、冷たい視線を向けられたりすれば、いずれ飽きられ、淘汰(とうた)されていく」と予想する。
モラルと法の中間
大量の食べ残しにより、店側には食材を捨てるコストや手間が発生したり、調理した人が心理的にダメージを受けたりする可能性がある。食べることができた食品が廃棄される「フードロス」が問題視される昨今、故意の食べ残し行為について、ネット上では「罪に問うべきだ」「罰金は取れないのか」との声も目立つ。
ただ、法律の専門家の見方は厳しいようだ。
「(大量の食べ残しをしても)事前の決まりが特になければ法的には問題にならない」。飲食業界に詳しい石崎冬貴弁護士が解説する。