ビジネスパーソン大航海時代

「自動車整備士でエンジェル投資家」が挑む 連続性のある人生~航海(14)

小原聖誉
小原聖誉

 「まず自分の軸足はやはり自動車整備であると決めました。給料に多少の不満があったとしても不慣れな業界へ転職して0からスタートするのでは家族を守ることに不安があります。となると、投資をするしかないな、と思い様々な投資について調べていきました。比較検討して、凝り性の自分にフィットするのは上場株の取引であると判断しました」

 その後どのようなことが起こりましたか?

 「当時の自分ははじめて上場株取引を行う初心者です。ですから0から勉強することで情報武装し失敗を防ぎ、成果を求める必要があります。そこで徹底的に勉強をするために、自分が勉強したことを外部に公開していきました。それを『IPOで稼ぐメカニックの株ログ(https://ipomechanic.com/)』として公開したのです」

 自らを追い込んだのですね。しかし、そのようなサイトはたくさんあると思いますがどのように見てもらおうと思ったのですか?

 「そもそも自分の備忘録のために立ち上げたわけですから、見てもらう前提ではありません。ですからどうアクセスを伸ばすかは全く考えませんでした。しかし、結果としては現在月間50万アクセスに到達しています。理由は2つあると感じております。まず自分は初心者の視点に立てるのでわかりやすいだろうということ、そして何より毎日更新しているからだと思います」

 毎日更新ですか!ハマると毎日ゲームを10時間やる強みが活きたのですね…。

 「そうかもしれません(笑)。5年間、1800日以上、元日も休みなく更新しています」

 そこまで更新されてどのような変化がありましたか?

 「まず上場株で収益をしっかり上げられるようになりました。記事を更新するためにも分析をしつづけて投資をしていますからね。当初の目標であるノウハウは十分ついたと言えます。そしてサイトからの広告収益も上げることもできました。そして、あることに気づきました」

 それは何ですか?

 「上場株は、言わずもがな上場した後に個人も取引に参加できるのですが、VC(ベンチャーキャピタル)という会社は、上場する前の会社に出資を行なっているということにです。これはズルい!と思いました(笑)」

 もちろんVCはその分リスクを背負って出資していますからね。でも出資先が上場すれば大きいリターンが確保できるのは確かです。

 「これを知ったことで、いつか未上場の時から出資ができたら良いなと思っていました。上場株の取引以上にリスクがあることは承知です。でも投資ポートフォリオとしてアップサイドが大きい未上場株にも出資できたら良いなと」

 なるほど。今はどうされていますか?

 「はい。実は最近“株式投資型クラウドファンディング”という投資手法が生まれまして、今は20社以上の未上場会社の株主になっています」

 もう少し教えてください。

 「クラウドファンディングというサービスはご存知でしょうか?会社や個人が何かプロジェクトを立ち上げようと思った時に、一般ユーザーに支援を募るものです。ユーザーのメリットはプロジェクトの成果物、例えば商品を手に入れることができます。株式投資型クラウドファンディングの場合は商品ではなく、その会社の株を手に入れることができるのです。現在よく利用されているサービスはFUNDINNOというサービスですが、成長が期待されているので様々なサービスが参入してきています。Angelbankという元VCの方が立ち上げたサービスもあります」

 なるほど、未上場株と上場株の取引、それぞれのメリットがありそうですね。

 「未上場株の場合は “体験を買っている”感じです。インディーズバンドの発掘をしている気持ちに近い。特に私の場合はtoC向けと言われる、消費者に対してビジネスをしている会社に好んで出資しています。先日オールユアーズというアパレル会社に出資しましたが今日はその服を着ているんですよ。出資先の商品を購入できるというのは何だか嬉しいものです。同じ船に乗っている感覚が得られます。このまま上場したらリターンも大きいものになるでしょう。一方で上場株は金融商品そのもので金銭リターンのみを期待しています。これはこれで重要です」

 未上場株に出資するときの基準を教えてください。

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