ビジネストラブル撃退道

客の荷物を勝手に捨てた“トンデモ宿”騒動に見る「常識的であれ」の重要性

中川淳一郎
中川淳一郎

 失うものが多すぎる時代

 今の時代、客が理不尽な対応をされた場合はすぐさま世間様に告発できるようになっている。かつては泣き寝入りさせることができたかもしれないが、SNSもあるし、ホテルにしても飲食店にしてもレビューサイトで悪評はいくらでも書き込むことができる。

 だからこそ、品行方正であり続けなくてはいけないのだ。私自身、かつては街を歩いていて、横並びで道を塞がれた場合など、苛々して舌打ちをすることなどはあった。だが、ここ数年、一切そういうことをしなくなった。常に「仏の心」で「皆さん、仲が良くて素晴らしいですね。その青春時代を大切に、立派な大人になってくださいね」のように考えるようになっている。

 とにかく今の自分は失うものが多過ぎる。一瞬の感情からキレてしまったりした場合、どんなダメージをくらうか分からない。だからこそ、感情のコントロールと「常識的であれ」ということは常に考えている。この2つができるだけで、個人も、組織も両方を守ることができる。

 件のホテルについても「勝手に開けない」という常識がなかったからこそこうして炎上した。現在、ツイッターには同ホテルに対する散々な評判が多数書き込まれ、さらにはレビューサイトでも「星1つ」が次々と書き込まれる状態になっている。別の非常識行為(本当かどうかは不明)も暴露されており、自分が従業員だったら「もうやーめた」という状態になっている。つくづく「常識的であれ」の重要さを感じる騒動だった。

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう) ネットニュース編集者
PRプランナー
1973年東京都生まれ。1997年一橋大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ではCC局(現PR戦略局)に配属され、企業のPR業務に携わる。2001年に退社後、雑誌ライター、「TVブロス」編集者などを経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『謝罪大国ニッポン』『バカざんまい』など多数。

【ビジネストラブル撃退道】は中川淳一郎さんが、職場の人間関係や取引先、出張時などあらゆるビジネスシーンで想定される様々なトラブルの正しい解決法を、ときにユーモアを交えながら伝授するコラムです。更新は原則第4水曜日。アーカイブはこちら

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