ぼくも、この3カ月間、オンラインのイベントを沢山見たし、自身が登壇して話すこともあった。そこで双方向コミュニケーションの可能性を否定するつもりはまったくない。だが時間の自由をより優先したい、という気持ちがある。
だからといって、リアルに人と時間を決めて会うのが嫌だと言っているのではない。逆だ。ロックダウンが解除されてから、できるだけリアルに人に会うようにしている。事務的な内容の打合せをするためではなく、色々なアングルからインタビューするためである。
オンラインのインタビューでは話題が広がらないことは十分に承知しているので(メールによるインタビューは事実確認にしかならない)、規制解除のタイミングをひたすら待っていたのだ。
率直な感想を書いておく。ウェビナーの内容とリアルなインタビューを比較するのは無理があるのは百も承知のうえで極端に(比喩的に)言えば、有名な人の話をウェビナーで聴くよりも、無名の人にリアルに会って聴く話の方が、その後にぼく自身が相手の言葉を反芻して色々と思いを巡らせることが多い。
以上の個人的感想を基にするならば、オンラインイベントの企画に求められるのは、イベントの後に余韻が残る設計ではないかという気がする。実用書よりも文芸書のコンテンツがさまざまに(誤読も含めた)「解釈」が生まれるように、そうした「その後」を導くような工夫が人を引き寄せる決め手の1つかもしれない。
【ローカリゼーションマップ】はイタリア在住歴の長い安西洋之さんが提唱するローカリゼーションマップについて考察する連載コラムです。更新は原則金曜日(第2週は更新なし)。アーカイブはこちら。安西さんはSankeiBizで別のコラム【ミラノの創作系男子たち】も連載中です。