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缶詰状況が思考の「起動装置」を作動させる 考えた欠片をどう保管するか

安西洋之
安西洋之

 スカイプとズームの違いとか、そういうビデオアプリの仕様の問題ではまったくないのだ。遠い距離にいる人と定期的に一緒に勉強するという発想自体が生まれなかった。

 あえて言えば、2つ目のラグジュアリー領域の勉強会だけは、今後何らかのムーブメントをおこす準備が必要と考えはじめていたことなので、他の2つとはやや性格が異なるかもしれない。それでもやるならリアルで実施することを前提にしたに違いない。

 同じ本を他人と一緒に読む習慣はこれまでなかった。遠く学生時代の読書会の経験しかない。しかし、読んで文章に概要をまとめ、それを基に議論することが頭のなかを整理させてくれ、かつその次に考えるべきアイテムが自ずと浮上してくる。これは新しくものを考える「起動装置」だと気づいた。

 旅行もしづらく人ともリアルには容易に会えないなか、とりあえず今年前半は学びの時間を増やそうと思い、これまでまったくフォローできていなかった類の本を次々にキンドルにため込んできた。

 これまでのぼくの習慣だと、何かと何かを関連付けるためのヒントを探す読書を意図的にしていたが、今はそもそも「何のため」をあまり考えることがない。だが、こうした読書が自ら考える範囲を拡大してきていると、この半年の終盤になって意識するようになった。

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