現代の大きな特徴は、伝統的にあったコミュニティの消滅により個人がむき出しで社会と対峙することになったことだ。それによって発奮する人と落ち込む人がでてくる。
ただ、どういう精神状態であろうが、1人ではどうにもならないことが世の中には圧倒的に多い。だから、その1人がああだこうだと考えながらも、他に仲間をどうにか見つけていくとのプロセスはどうしても必要だ。
ただし、何から何まで、いつも同じ仲間と顔を突き合わせて、さまざまなテーマに取り組むことはない。自分の得意不得意や好みに合わせてコミュニティを使い分け、コミットのしかたに強弱をつけていけばよい。この強弱を個人のレベルで選択できなかったのが、伝統的なコミュニティであったのだ。だから、その窮屈さに再び嵌り込むのは避けたい。
だが、その先が窮屈であると予感しても、寂しさや不安から小さな穴に潜り込んでしまうことがあるものだ。いかんともしがたく人は弱いのである。
したがって、自己責任などという言葉に振り回されてあまりに張り切り過ぎることなく、適度に他人に頼ることに寛容である社会であって欲しい。
【ローカリゼーションマップ】はイタリア在住歴の長い安西洋之さんが提唱するローカリゼーションマップについて考察する連載コラムです。更新は原則金曜日(第2週は更新なし)。アーカイブはこちら。安西さんはSankeiBizで別のコラム【ミラノの創作系男子たち】も連載中です。