ローカリゼーションマップ

一人で組織と闘うのは「しんどい」 他人に頼ることへの寛容さを

安西洋之
安西洋之

 現代の大きな特徴は、伝統的にあったコミュニティの消滅により個人がむき出しで社会と対峙することになったことだ。それによって発奮する人と落ち込む人がでてくる。

 ただ、どういう精神状態であろうが、1人ではどうにもならないことが世の中には圧倒的に多い。だから、その1人がああだこうだと考えながらも、他に仲間をどうにか見つけていくとのプロセスはどうしても必要だ。

 ただし、何から何まで、いつも同じ仲間と顔を突き合わせて、さまざまなテーマに取り組むことはない。自分の得意不得意や好みに合わせてコミュニティを使い分け、コミットのしかたに強弱をつけていけばよい。この強弱を個人のレベルで選択できなかったのが、伝統的なコミュニティであったのだ。だから、その窮屈さに再び嵌り込むのは避けたい。

 だが、その先が窮屈であると予感しても、寂しさや不安から小さな穴に潜り込んでしまうことがあるものだ。いかんともしがたく人は弱いのである。

 したがって、自己責任などという言葉に振り回されてあまりに張り切り過ぎることなく、適度に他人に頼ることに寛容である社会であって欲しい。

安西洋之(あんざい・ひろゆき)
安西洋之(あんざい・ひろゆき) モバイルクルーズ株式会社代表取締役
De-Tales ltdデイレクター
ミラノと東京を拠点にビジネスプランナーとして活動。異文化理解とデザインを連携させたローカリゼーションマップ主宰。特に、2017年より「意味のイノベーション」のエヴァンゲリスト的活動を行い、ローカリゼーションと「意味のイノベーション」の結合を図っている。書籍に『「メイド・イン・イタリー」はなぜ強いのか?:世界を魅了する<意味>の戦略的デザイン』『イタリアで福島は』『世界の中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』。共著に『デザインの次に来るもの』『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか?世界で売れる商品の異文化対応力』。監修にロベルト・ベルガンティ『突破するデザイン』。
Twitter:@anzaih
note:https://note.mu/anzaih
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ローカリゼーションマップとは?
異文化市場を短期間で理解すると共に、コンテクストの構築にも貢献するアプローチ。

ローカリゼーションマップ】はイタリア在住歴の長い安西洋之さんが提唱するローカリゼーションマップについて考察する連載コラムです。更新は原則金曜日(第2週は更新なし)。アーカイブはこちら。安西さんはSankeiBizで別のコラム【ミラノの創作系男子たち】も連載中です。

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