仮に彼女がこのテーマで既に有名な研究者であれば、ぼくが彼女に会う機会もあるはずだ。言うまでもなく、ぼくがそういう「サークル」で声をかけられやすい立場にいるわけではなく、単純にぼくが彼女の成果を目にする確率が高くなるとの理由だ。
だが前述したように、彼女は30代前半の「これから」の研究者だ。リアルな行動範囲で彼女とダブるところは、ほぼ何処にもない。それでも、あるテーマをほじくり回していると、いつかどこかで今回のような出逢いがおこる。
つくづく、ネットワークとは世に知られた人とのネットワークではなく、「これから」が期待できる人たちとのネットワークに意味があると感じる。既に名のある人と知り合うのはそう難しいことではない。しかし、潜在力の高い人たちと知り合っていくには、かなりの努力が必要だ。
常に嗅覚をきかせ、今あるネットワークに満足しないオープンな態度を維持しないといけない。たまに惰性に走ることもあるが、正月早々このような経験を得ると背筋がピンとする。ここから勢いをつけていこう。
【ローカリゼーションマップ】はイタリア在住歴の長い安西洋之さんが提唱するローカリゼーションマップについて考察する連載コラムです。更新は原則金曜日(第2週は更新なし)。アーカイブはこちら。安西さんはSankeiBizで別のコラム【ミラノの創作系男子たち】も連載中です。