家族会議では、経営者が退く時期の決定や、退く時期から逆算した株式の移行スケジュール、退職金の設定、相続・財産分与などの「ハード面の承継項目」をしっかりと議論すること。さらに、経営者がどのような想いで、企業を立ち上げ、従業員について考えてきたのかを定期的に共有することが大切になります。
回避すべきは、経営者が一方的に決めつけて決定事項を伝えてしまうことです。親子の関係の場合、後継者を親子関係で見てしまい、命令口調になってしまうことで関係が悪くなり、事業承継のタイミングが決まらないといった事例もあります。
事業承継は、経営者と後継者にとっての人生の転換期であることと同時に、事業に従事する従業員のみなさまにとっても重要な転換期であることを忘れてはなりません。
事業承継をスムーズにおこなうことで、事業の安定した継続、更なる発展につながるのです。
ハードとソフトの両面での「事前準備」が、企業を発展させる
事業承継の準備は、「ハード面の承継項目」と「ソフト面の承継項目」それぞれで事前準備が必要となります。
どちらが大切という訳ではなく、どちらも「承継」を行い、企業を発展させるために必要な項目です。
経営者の年齢によっては、いつ体調を崩してもおかしくありません。少しでも、事業承継の「引き継ぎ項目」を把握し、事前に準備をしておくことで、スムーズに事業を次の世代にバトンタッチをおこなうことができます。
参考
*平成28年4月26日 中小企業庁 財務課「中小企業庁 事業承継等に関する現状と課題について」
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/jigyousyoukei/2016/160426jigyousyoukei5.pdf
【長寿企業大国ニッポンのいま】は、「大廃業時代」の到来が危惧される日本において、中小企業がこれまで育ててきた事業や技術を次の世代にスムーズにつなぐための知識やノウハウを、事業承継士の葛谷篤志氏が解説する「事業承継」コラムです。アーカイブはこちら