2次流通への進出や付随サービスの開発・販売は元となる新製品の販売があってこそ成り立つものでもあるので、1次流通業者としては1次流通の補完としての位置付けのはずです。しかし、この流れが続くと過去数年分の在庫が流通し続けている市場にちょっとずつ新製品を投下していく形になります。そうすると、ビジネスの構造自体が大きく変わっていくことが求められることになります。
2次流通と1次流通の根本的な違い、それは2次流通は「商品の仕入れをコントロールできない」ということです。自ら作ることもできず、発注もできません。買い取らなくては始まらないのです。
どの2次流通の宣伝を見ても、「売ってください」というメッセージがほとんどです。「本を売るならブックオフ」「車を売るならT-UP」「メルカリなら15秒で出品」など印象に残っているのではないでしょうか。
中古市場の拡大に対しては
- 転売可能なら、少しくらい高い値段でも買ってみよう
- 中古市場で安くお試しをして、よかったら新製品にも手を出そう
という新品市場とのwin-winの流れになることを期待している向きもありますが、そこに進出するとなると、簡単ではないのです。
2次流通は自社製品への追加・関連出費を狙うことでもある?
新製品が売れない時代に、2次流通や、商品などを併せて購入してもらう「クロスセル」、顧客が購入した商品と同種で“より上位のもの”を提案し購入してもらう「アップセル」によって収益を確保するというのは基本的な戦略ではありますが、縮小するマーケットにおいて椅子取りゲームになっているとも言えます。
たとえば中古車市場は2020年に過去最大になっていますが、それは新車を買っていた層がその経済力を高級な中古車に向けたことによるものです。新車販売数は低下し、それは時間差でそのまま中古市場に流れる台数の減少にも繋がっていて、中古車の販売台数自体は減っています。中古スマートフォンが当たり前になるなど、新製品市場が伸び悩み、中古市場が拡大している状況では短期的には中古市場での収益確保が当然の戦略になります。
しかし、中古市場はモノづくりとは違う商売です。自分たちが作り、売った製品を取り扱うので、簡単に考える企業も多いのですが、失敗事例も少なくないのです。
一方で「2次流通」をさらに抽象化して、「自社製品を買ってもらった後に、顧客が他社に支払っている追加、関連出費を狙いに行く」と考えると、わかりやすいビジネスが見えてきます。これらはクロスセルと呼ばれ、基本思想は「一度掴んだ顧客は離すな」ということです。