カワグチ:うちは、どちらの両親も片道1時間半くらいかかるところに住んでいるので、交代で週に2~3回来てもらい、家事だけ手伝ってもらっていました。私の場合は、仕事せずに育児だけに集中していたら、もっと辛かったんじゃないかな。イラストレーターという好きな仕事をしていたので、仕事自体が気分転換になったんです。
ただ、「こんなに眠いんだ」っていうのは衝撃的でしたね。辞書の「産後」って項目に(眠い)って注意書きを書いておいてほしい(笑)。
■フリーランスの保活事情
栗本:私は長男が1歳半のときに保育園に入れました。ちょうど保育園の待機児童問題が話題になっていた時期で、フリーランスだから無理だろうと一次募集には申し込まなかったのですが、二次募集のときにダメ元で保活したら、なんとか入ることができて。そーちゃんは何歳で保育園に入ったんですか?
カワグチ:2歳になったとき、認可外保育園に入りました。それまでは背負ったり遊んだりしながら仕事してたんですけど、子どもが動きすぎて「アカンな」となって。フリーランスで大阪市は保育園は入れないってわかってたので、認可外に絞って、10箇所まわりました。
栗本:フリーランスは認可保育園に入るのがまず無理と言われていたころですよね。保育園は基本的に0歳頃から小学校入学前まで預かってもらえますが、0~2歳までは定員数が少ないという……(※)。
(※)国が定める保育士の配置基準では、子どもの年齢が低くなるにつれて、保育士一人がみる子どもの人数が少なくなるよう定められているため。
ちょうど私が保活したころから、0、1、2歳を預かる「小規模保育」が関東ではじまっていたので、ハードルが下がった印象です。私の住む杉並区では、フリーランスでも仕事をしていれば点数が引かれなくて、「フリーランスでも保育園に入れるんだ!」と驚きました。もしカワグチさんのように認可外保育園を選ぶとしたら、入園前に比べたほうがいいのでしょうか。
カワグチ:清潔な環境か、温度管理されているか、お外で遊ばせてくれるかなどは、きちんと見比べたほうがいいと思います。子どもとの相性もあると思いますしね。そうやって認可外保育園を経て、3歳からは預かり保育のある幼稚園に入園させました。
栗本:幼稚園は、希望したら入園できるものですか?
カワグチ:面接はあったけど、ほぼ落ちないんじゃないかな……? 幼稚園ってだいたい14時頃に子どもが帰ってくるんですが、大阪市には預かり保育できるところがいくつかあって、18時頃まで預かってもらえたんです。預かり保育で習い事をさせてくれる園もありました。
栗本:3歳からは幼稚園の選択肢ができるし、保育園の定員数も増えますけど、0~2歳のときに保育園に入園できるのか、入園できなかったらどう過ごすかが課題ですよね。
カワグチ:そうですね。子どもが1~2歳で「フリーランスを目指したい」という方から相談を受けることもありますが、会社員やパートの選択肢もあることを伝えたうえで、「フリーランスでちゃんと食べていけるまでに最低5年はかかるんじゃないか」と話しています。
なので、まずは子どもが2歳になるまでの2年を準備期間と考えて、ポートフォリオをつくるとか、どんなフリーランスになりたいのか、できること・やりたいことを分析する時間にするのもいいと思います。私の場合は営業したい会社を調べて、ポートフォリオを送るだけじゃなく企画書を添えたりしていました。フリーランスとして立ち位置を確立されている人なら、セーブして仕事を選んでいけば、単価を上げる方向で動くこともできると思います。
■産後にやりたい仕事ができるようになり、単価もアップ
栗本:カワグチさんが今の作風になったのはいつからですか?
カワグチ:エッセイマンガを最初に描いたのが、2014年でしたね。産後半年くらいから育児ブログをスタートしたんです。絵日記を描くことで思い出になるし、子どものいいところが客観的に見えるようになりました。それまでは与えられた仕事をこなしているだけだったので、育児の絵日記をきっかけに、やりたかったエッセイマンガの仕事につながっています。
栗本:私もカワグチさんほどではないですが、産前とは仕事の内容が変わりました。出張に行けなくなったので、自宅でできる仕事や出張のない仕事を受けるようになって。カワグチさんは産前に取引のあった会社と、いまでもお付き合いはあるんですか?
カワグチ:知り合いの人とかは変わらず仕事をくれたりはしますが、産前は駆け出しで単価が安かったので、徐々にお仕事を選ぶようになりましたね……。