こんな会社、社長には要注意!
・体操の法則
「体操を社員に強要している会社は儲からない」。えーっ、そうなのですね。私の最初の会社、リクルートでは、全社ではありませんが、最初に配属された人事部では当時、毎朝体操していました(笑)。
一律に強要するというあたりに問題があるのでしょうか。会社側から一律に支給される制服などにも同じような価値観(体質)を感じますが、「制服の法則」はないのか気になるところです。
・社長室の法則
「社長室の豪華さとその会社の成長率は反比例する」。これはあるあるですね。社長室だけでかなりの占有スペースを取っていたり、室内に豪華な調度品が満載だったりする会社は、確かにそれなりの地位を築いていらっしゃるものの、その会社の”旬”、ピークは過ぎている印象があります。
会社の”旬”、ピークを過ぎるという話では、「パーキンソンの法則」のひとつに、「立派な社屋(自社ビル)を建てるとその会社は傾く」というものがあります。これもよく言われる経験則ですが、確かに会社のライフサイクルとその節目節目でやりがちなことというものはあるように感じます。
・社長の苦労話の法則
これまでその会社の風景から分かるというものを見てきましたが、その会社の経営者を見て分かることも多いようです。
「社長が自分の過去の苦労話に大半の時間を割くようであれば、その会社の成長率は高くない」。まあ、これも言われれば、そうなのでしょうね。話好きの社長はオーナー社長であれサラリーマン叩き上げ社長であれ、多くいらっしゃいますが、話の中身はその人の頭の中の“映し鏡”です。これからやろうとしていることや成し遂げたい未来の話が多いのか、これまでの経験話や実績(自慢)話が多いのか。社長のベクトルがどちらに向いているかは、概ねその会社の成長力や投資価値と連動しているでしょう。
・交友・自叙伝の法則
「社長が著名人との交際自慢や一緒の写真を飾っていたら、その会社への投資は避けたほうがよい」「オーナー社長に自叙伝をプレゼントされたら、その会社への投資は儲からない」。
いらっしゃいますよね、こういう社長(笑)。大手企業の社長の多くが、最後絶対に出たいのは日経新聞の「私の履歴書」だとか(実際に複数の、大手企業の社長室、経営企画室、広報室の方々から、この話は折々伺います)。
あなたが社長の参謀であれば、「社長登場」系の広告話には要注意です。こういうのに弱い社長(出たい社長)ほど、会社の成長率と投資魅力度を下げるのでは? ということですので。
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こうして見てきますと、概ねは「古い体質、見栄体質、本業以外のことにかまけている会社は儲からない」ということを言っているようですね。やはりこれらに当てはまる会社との付き合い、取引は避けるのが賢明ということでしょうか。
さて、では、あなたの会社はどうですか?
【社長を目指す方程式】は井上和幸さんがトップへとキャリアアップしていくために必要な仕事術を伝授する連載コラムです。更新は原則隔週月曜日。アーカイブはこちら