私は上司の皆さん(幹部や役員、社長の方々)の転職支援もしていますが、転職の際に、この点は非常に大事なのです。1億円の商いに従事してきた人は、なかなか数百円、数千円を取り扱うビジネスには転身し難く、逆もまた真なり。その理由は、皆さんが知らず知らずのうちに身につけた<単価の基準>の落差には、そうそう対応できるものではないからです。
達成の科学・その1は「自分の単価の基準から離れるな」です。
あなたは年間何千万、何億、何十億を取り扱ってきた人でしょう?
あなたの「進捗状況」に関する当たり前の基準は?
上司の皆さんは、常になにがしかの目標数字と実績数字に取り囲まれて仕事をされていますが、その進捗状況の捉え方は人によって異なります。
例えば、今月の月間目標が、現時点で50%まで来ました。これには2通りの受け止め方があります。「50%まで達成できた」と、「まだ50%しか達成できていない」。あなたはどちらでしょう?
物事の捉え方や表現の仕方によって、その印象が変わることを「フレーミング効果(文脈効果)」と言います。皆さんご存知のところでは、「コップの水があと半分しかない」vs「まだ半分もある」という物の見方の話を聞いたことがあるのではないかと思います。事実はコップの中の水がちょうど半分入っているというだけのことですが、人によって楽観的にも悲観的にも捉えられるという話です。
セブン-イレブンの元・会長、鈴木敏文さんがセブンプレミアム「金のシリーズ」を生み出したのは、デフレの時代に6割の人が安い商品を求めているという消費者調査データを見て、「4割は安いものを求めていない(良い商品なら高くても良い)」ということに着眼したからでした。
達成癖のある人には、楽観性と悲観的心理がいい具合に共存しています。
先ほどの例で言うと、「よし、これで50%達成できたぞ」という楽観性と、「来週までには80%まで持っていかないと、月末苦しくなる。いま頑張ろう」という悲観的心理・危機感があります。<先行逃げ切りマインドセット>を持つ人が達成する人です。
達成できない人の心理は真逆で、「ああ、まだ50%だ。先は長いな、、」という悲観的心理と、「まだ月末までには日にちがある。来週から頑張ろう」という楽観性があります。このタイプは夏休みの宿題を夏休み期間中「明日からやろう」で引き延ばし続けた挙句、8月末になって泣きながら「どうしよう」と親や兄弟を巻き込むタイプですね(笑)。結局、残りの時間ではもうどうにもならないと悟り、ギブアップしてしまうことが多い<先延ばし先送りマインドセット>の人は、なかなか達成とは縁遠い人生を歩みがちです…。
達成の科学・その2は、「あなたのフレーミングはどのようなものか」です。
先行逃げ切りマインドセット的でしょうか、それとも先延ばし先送りマインドセット的でしょうか?