人口を見れば分かるのですが、東京23区の面積が627.6平方キロメートルで人口971万6517人なのに対し、唐津市は487.6平方キロメートルで人口は11万8791人です。人口密度にすると、東京が1万5482人で唐津は243人。実に63.7倍もの差があります。だから知り合いを1人か2人経れば大体の人とつながってしまう、という状況にあるのです。
唐津で出会った保険の営業マンの顔の広さったらなかったです。街を一緒に歩いていると、やたらと色々な人から挨拶されますし、誰かを紹介してもらいたい場合はその人が紹介してくれます。こんな人は案外いい営業をするかもしれません。私は、彼が浄水装置を知り合いの店などに「置いてちょうだいよ。オレに歩合でお金入るからさ。そのお金で食べにくるからさ」なんて言い「あんたがそこまで言うなら…」とハンコを押してくれる様子すら想像できました。この人経由で、隣の市のいい営業担当者を紹介してもらえば、自分で販路を開拓するよりも売り上げは上がるかもしれません。
このように、現状に何らかの制約がある場合は、「それでもできること」を考えなくてはいけないのではないでしょうか。
柔軟に“代替案”を考えられるか
もう一点、重要なのは代替できる地域を探すことです。営業の話とは異なりますが、2001年にCMの取材をしていた際、テーマは「最近人気の海外ロケ地」でした。現在はそもそも海外ロケなどできないことも多いでしょう。だからあくまでも当時の話なので恐縮ですが、「なるほど」と思ったことがあります。
広告会社の人に取材をしたのですが、人気はタイ・プーケットとチェコ・プラハだと言うのです。意外な発言でしたが、こう言われて納得しました。
「元々CMの人気ロケ地は、ビーチ関連ではハワイ、車のCMなどでヨーロッパの香りがして人気だったのがパリでした。しかし、両方とも近年費用がかかり過ぎるようになってしまいました。そんな時に代替地を考えていたのですが、『ウチは安いよ! そしてハワイに(パリに)似ているよ』と手を挙げたのが、プーケットとプラハだったのです。以来、この2か所はロケ地として人気です」
こうしたことを考えると、代替できる同規模の土地を見つけることも重要でしょう。恐らく、多くのクラスターを発生させた市はすでにコロナへの恐怖に対する免疫ができているので、そうした街が候補になるのではと思っています。
ビジネスは万事うまくいかないもの。なんとか生き残るための代替策を皆さんお考えくださいませ。
【ビジネストラブル撃退道】は中川淳一郎さんが、職場の人間関係や取引先、出張時などあらゆるビジネスシーンで想定される様々なトラブルの正しい解決法を、ときにユーモアを交えながら伝授するコラムです。更新は原則第4水曜日。アーカイブはこちら