社長を目指す方程式

敏腕上司は「4つのジンザイ」のタイプ別トリセツを使い分ける

井上和幸
井上和幸

 「人在」=指示待ちタイプには、カウンセリングとモチベーティングを使います。

 スキルはある、もしくは高い人ですから、その力をどう使うと自身にとって良いことなのか。あるいはその人の中に眠っている(はずの)やりがいやテーマを顕在化させる。はたまた、何か人間関係や組織上の配置がその人のやる気を落としてしまっている可能性もあるので、カウンセリングで悩みをしっかり聴いてあげたりしながら、戦力化、他のチームメンバーたちとの協働を促しましょう。

 「人罪」=リストラ予備軍には、いきなりレッドカードを切ることだけは絶対にやってはいけません。

 まず一度、イエローカードをしっかり切る。「このままだとあなたは、この会社で戦力となり続けることは難しい。○○までに、△△ができるようになってください。もしできなければ…」という握りをしなければいけません。その上で、ティーチング・カウンセリング・モチベーティングで対応です。その過程で働きぶりを見つつ、期限までに最終的な判断をしましょう。難しければ、別の道に進んだほうが当人にとっても良いということを、人事などを交えてしっかり話し合うというステップですね。

 上司の仕事の中で最もしんどいことの一つが「人罪」への対応ですが、上司であれば誰もが経験しなければならないことでもあります。乗り切りましょう。

 最後に「人財」=リーダーには、コーチングです。

 上司と「人財」とで、対等なパートナー、同志としての信頼関係が築かれている際には、お互いの具体的意見をぶつけ合う観点でコンサルティングも積極的に使うと良いですが、経験や世代が一定以上離れている上司部下の関係であれば、育成観点ではコンサルティングは極力使わないほうがよいです。基本的にコーチング一本で、「人財」部下が隘路にハマったり、納期に間に合わないなどの際のレスキュー策が必要なときにだけ、コンサルティングを使いましょう。

 「人財」部下に気をつけたいのが、彼らに対してティーチングやカウンセリングを使うこと。これらを使うことは、逆に彼らのプライドを傷つけたり、分かっていることを言われることで上司の質を疑われるような結果になりかねません。信頼できるリーダーには、任せ切ること。何かあれば、彼らの方から相談してこれるような関係性を築くことです。

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 4つのジンザイタイプと5つのサポートタイプの適切な掛け算は、上司の皆さんにとって、王道であり最強のマネジメント法です。逆に4つのジンザイタイプと使うべきサポートタイプの掛け合わせを間違えると、「新人」を潰してしまったり、「指示待ち」を腐らせたり、「リーダー」のモチベーションを削いだりすることになることをご理解いただけたでしょう。(これまで、間違った対応をしていたりしませんでしたでしょうか?)

 繰り出す技を間違えることは、組織活性化の最大の敵であり、正しく技を繰り出せば、あなたのチームは活力あり、成果を上げ続ける頼もしいチームへと育っていくでしょう。部下のタイプ別にサポート技を繰り出せる上司が、組織の場を支配できる、ゆくゆく社長になる人です。

▼“社長を目指す方程式”さらに詳しい答えはこちらから

井上和幸(いのうえ・かずゆき)
井上和幸(いのうえ・かずゆき) 株式会社経営者JP代表取締役社長・CEO
1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。
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【社長を目指す方程式】は井上和幸さんがトップへとキャリアアップしていくために必要な仕事術を伝授する連載コラムです。更新は原則隔週月曜日。アーカイブはこちら

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