高校生が立てた仮説
私が運営する学習塾ロジムの授業で、高校生が挙げてくれた仮説を紹介します。
- 革新的だからといって高価格になってしまった
- 革新的なものを、どう使うかを説明するような適切な販促活動ができていない
- 日本が経済的に厳しいので、高価格な革新的製品を買えない。アメリカなら売れたのでは?
- 販売場所がない。つまりそもそもニーズがなかったのでは?
いかがでしょうか? 高校生にしてはなかなか鋭いと思いませんか? いずれの可能性も捨てきれないものですので、しっかりとした検証が必要です。その検証無しに、「革新的イノベーションを実現したというような製品は、企業成長には役立たないので必要ない」などという結論には到達できません。
分析では「革新的イノベーションを実現した製品の市場があったのか?」という「問い」に関しては言及がありました。私たちビジネスの現場にいる人間は、この「問い」をしっかり立てて、次の分析へと繋げていくことが重要です。都合のよい解釈をして、持論を補強する形で使ってしまうのはデータの活用において一番避けなければならないことです。
「AだからBである」を見たときのチェックポイント
「AだからBである」という命題を見た時に、まず
- Aとは何か?
- Bとは何か?
を確認することが必要です。また、
- それは本当に因果関係があるのか?
- 因果関係があるとして、原因はAだけか?
の2つの視点でチェックを入れる必要があります。
みなさんも、刺激的なコピーに反射的に反応してしまうことなく、冷静に読み解く姿勢とスキルを高めて欲しいと思います。
【今日から使えるロジカルシンキング】は子供向けにロジカルシンキングのスキルを身につける講座やワークショップを開講する学習塾「ロジム」の塾長・苅野進さんがビジネスパーソンのみなさんにロジカルシンキングの基本を伝える連載です。アーカイブはこちら