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「出羽守」と反発されても 人権や自由について言っておきたいこと

安西洋之
安西洋之

 例えば、以下のような文脈だ。

 2017年、現在はストックホルム経済大学でイノベーションを教えるロベルト・ベルガンティの本『突破するデザイン』の日本語版を監修した。イノベーションには2つあり、目的地にたどり着く方法の改善が一つ。もう一つは目的地そのものを変更する。

 前者は問題解決型である。後者はセンスメイキング、つまり意味づけに該当する。ただし、後者のイノベーションのやり方があまり開発されていない。そこを指摘して実践をしているのがベルガンティである。

 方向をあらたに見つけるのは、皮膚感覚をもとにした極めて主観的な判断である。そうであるから、当然ながら、最初の一歩は1人で感じ1人で考えるステップが必ずはいる。

 このことを日本の方にむけて書いたり話したりすると、ちょっと意外(不幸にも、今としては馴れたが)な反応がくる。「1人で考えていいのですね!」との喜びともつかぬコメントだ。

 1人で考えるのに背徳感を抱く人が少なくないのだ。「チームで考えよう」への過剰評価の結果だ。

 先日もあるところでこのテーマで話した。フィードバックとしておよそ3分の2の人が「1人で考える大切さが印象に残った」と書いていた。

 そして、この現実を日本の他の人に再度話すと、「そうなのですよ、学校教育のせいでしょうか」「人の顔色をみていますからね」と、かなり深刻な表情になる。一方、同じことを欧州の人に話すと、哀れみの情が顔にでる。そこで終わり、議論にならない。

 上記では「1人で考える」だが、「人権」や「自由」といった事例においても、かなり似たような反応がある。つまり日本では他人事というか、間に膜がかかっているというか、なんともぼんやりした感覚で「人権」「自由」に接しているのが分かる。

 欧州ではもっとダイレクト感がある。

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