チームラボ 代表 猪子寿之氏 インタビュー(前編)
日本文化を底流とした様々なクリエイティブを発表する「チームラボ」。 アートとカルチャーとデジタルテクノロジーを駆使した斬新なクリエイティブは国内外で高い評価を得ている。そのクリエイター集団を組織し「新時代の頭脳」と呼ばれているチームラボ代表 猪子寿之氏に聞く(前編)。
(2013年11月取材)
寛容な社会に才能が集まってくる
-常日頃から大切にしていることはありますか?
「自由と寛容と合理性」です。
「自由」っていうのは、自分もそうだし他の人も社会もそうであって欲しい。自由でなければ発展しないし楽しくない。自由って人類が歴史の中で常に求め続けて獲得してきたもの。
そして、「寛容」であること、社会が人に寛容でなければ自由は担保されない。ある社会から見たらば倫理的には許せない、感情的に許せない・・・そんなこともあるかもしれない、そうすると、その倫理観と合わない人は自由が減ってしまうよね。それを許し、個人の自由を大切にすることが寛容。
ただ、どーしても矛盾や軋轢がおきてしまう。「自由だから何をやってもいいのか?」「何でも許せるのか?」ってことじゃなく、そこは「合理性」で解決する。
クリエイティブシティ(創造都市)[1]論とかあって、いま各地でいろいろな取組みがされているけど、結局、寛容性があって、自由を受けいれる所に人と才能が集まってきて経済や文化が発達していく。戦国時代の楽市楽座なんかも、「楽」(自由)と、それを受けいれる仕組みを創ることで人と文化が集まってきた。「信長が統治すると都市のGDPが何倍も跳ね上がった」なんて話もある。
注釈
[1]創造都市(クリエイティブシティ)
イギリスのチャールズ・ランドリーが提唱した「芸術、文化、ビジネス、テクノロジーを融合した都市の概念」。
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