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コロナで変わる旅をサポート 観光・レジャー系ベンチャーが需要回復を後押し (3/3ページ)

松島香織
松島香織

 日本の祭りを支援

 オマツリジャパン(東京都新宿区)は全国に約30万件ある日本の祭りを絶やさないよう、祭りが抱える人手や資金、PRの不足をオンライン・オフラインの両面から解決する事業を展開しています。残念ながらCOVID-19によって夏祭りの中止が相次いでおり、秋以降もこの傾向が続くでしょう。このためオンラインでの疑似体験の場や、新たな形の祭りを企画するためのソリューション事業にも乗り出します。

 全国の周遊生活を支援

 bnb plus(東京都千代田区)はIoTとAIを活用した分散シェアリング型宿泊施設を運営しており、顔認証によるチェックイン&アウト、決済システムを全店で導入しています。COVID-19によって、パソコンひとつあればどこでも仕事ができる、ワーケーションが注目されています。当社ではこの流れをイメージして事業を進めてきました。今後は周遊生活が行えるよう全国に拠点を整備していきます。

 格安でボートの利用が可能

 Portl(東京都渋谷区)はボートを貸したい人、操縦したい人、借りたい人をつなげるボートシェアリングサービスを展開しています。例えば半日のレンタルで40万円のクルーザーの場合、このサービスを活用すれば5万円で貸し出しが可能。複数人で利用すれば1人当たり数千円という手ごろな価格で利用できます。定期的に船が稼働することでオーナー側はメンテナンス費を削減できます。

 季節的な人手不足を解消

 地域の短期的・季節的な人手不足で困る宿泊施設や農業などの事業者と、「知らない地域へ行きたい」「仕事をしながら暮らすように旅したい」と思う地域外の若者をマッチングするWeb上のプラットフォームを展開するのが、おてつたび(東京都渋谷区)です。内容は多岐にわたり雪かきや祭りなど、多くのコト体験を用意しています。今後は法人契約を強化し、有給やリフレッシュ休暇での活用に力を入れていきます。

 COVID19によって観光需要は低迷していますが、有効なワクチンや治療薬の開発によって人・モノの移動が回復し、再び活性化するはずです。また、新しい旅の在り方も示されており、観光・レジャー系スタートアップの活躍の場は広がるでしょう。

PR会社・不動産会社の街ブランディング業務を経て現職。「起業家支援を通じて地域の可能性を広げる」というビジョンのもと、地方自治体とスタートアップの協業促進業務に従事。地方自治体と地域課題解消に資するビジネスモデルを持つスタートアップとのオープンイノベ―ションプロジェクトを複数企画・運営。Morning Pitchでは観光領域テーマリーダーを担当。

【Fromモーニングピッチ】では、ベンチャー企業の支援を中心に事業を展開するデロイト トーマツ ベンチャーサポート(DTVS)が開催するベンチャー企業のピッチイベント「Morning Pitch(モーニングピッチ)」が取り上げる注目のテーマから、日本のイノベーションに資する情報をお届けします。アーカイブはこちら

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