CONNECT in 丸の内

途上国から世界に通用するブランドを作る マザーハウスの絶え間ない挑戦 (2/2ページ)

 「国が違えど基本的なコミュニケーションは変わらず、働く理由や会社として目指す社会的ミッションはつぶさに伝えています。『バッグが完成するうえで、この作業はなぜ必要なのか』『このバッグはどういう人が使うのか』を詳しく説明していますね。一方で、国によって異なる部分もあります。たとえば、途上国だと従業員の家族のお葬式に私たち経営陣が参加するといったこともあります。宗教面での違いもあるので、勉強することはもちろん必須ですが、全てを分かりあおうとしないことも大切と考えています」

 会えない中で始まった、マザーハウスの新たな“挑戦”

 2020年に世界を襲った新型コロナウイルスは、多くの人の働き方を変えていきました。そして、例に漏れずマザーハウスも変革の必要に迫られました。

 「新型コロナウイルス感染拡大が進む前は、1年の半分は工場で過ごす生活をしていました。しかし、今は海外に行くことが難しくなり、完全にオンラインでのコミュニケーションに変わっています。思っていた以上にスムーズにオンライン化が進んだのは、『新型コロナウイルスに負けない』という1つの目標に全員が集中し、協力できたからだと思います」

 具体的には、YouTubeチャンネルを通して人気商品の紹介をしたり、バッグのケアの仕方を教える「マザーハウス ケア スクール」などのオンラインイベントも開催。2020年4月からの緊急事態宣言の約1カ月間、店舗の閉鎖を余儀なくされた一方で、試行錯誤を重ねながらお客さんとのコミュニケーションを大切にしていったといいます。

 また、新型コロナウイルスの影響で工場が1カ月停止する中、マザーハウスとして大きな挑戦となったのが、回収したバッグのレザーをリメイクし、製品化する「RINNE」です。

 「新型コロナウイルスの影響で約1カ月工場が停止。商品を生産できずにいました。バッグや小物のケアについて発信しつつも、『他にも私たちにできることはないか?』と考え続けてきました。そこでたどり着いたのがRINNEです。でも、RINNEプロジェクトが発足したときは、試行錯誤の連続でした(笑)。バッグの解体コストもかかってしまうし、バッグのサイズや種類は全部バラバラで、取れるレザーの素材も大きさも違う。業界初で難しい取り組みでしたが、みんなの協力があり、今はオペレーションもかなり改善されました。生産からケア、修理、リメイクまで、新たな社会の循環を構築するために、関わる人々と密にコミュニケーションをとり、モノの終わり方もデザインしていけたらと思っています」

三菱地所が運営する「東京21cクラブ」は、ビジネス・アクセス共に利便性の高い東京駅前・新丸の内ビルに拠点を構え、国内外の先端スタートアップや大企業、その他様々なプロフェッショナル約600名が集うオープンイノベーションに特化した起業家支援コミュニティです。オンラインを含むイベントやセミナーなどを通じて、ミートアップなどの企業同士の交流の場を提供し、新規事業開発支援を行っています。

【CONNECT in 丸の内】では、三菱地所が運営する国内外のスタートアップとそのサポーター約600名が集う起業家支援コミュニティ「東京21cクラブ」による、イノベーション創出支援を目的とした活動の一部をご紹介します! アーカイブはこちら

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