CONNECT in 丸の内

2度目の起業、フードデリバリーで成長を遂げた企業が目指す理想とは (2/2ページ)

東京21cクラブ
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 「店を訪れたものの野菜を何も買わなかったお客様に、なぜそうしたのかヒアリングを重ねていきました。するとその理由のほとんどが、使い切れないことへの不安や調理の面倒さだとわかったのです。次第に、そうした根本的な課題が解決されないまま野菜の宅配サービスをつくっても、成功は難しいだろうと感じるようになりました。

 その一方で、青果店には日々多くの料理人たちも訪れていました。彼らと話していると、『野菜そのものだけでなく、その野菜を使った料理も配達してみたらどうか』と提案してもらうことが徐々に増えていって。それがきっかけで、フードデリバリー事業に強く興味を持つようになりました」

 そしてスカイファームの創業から約1年半が経過した2016年12月、「LANDMARK SHIPPING」をローンチします。これは、横浜ランドマークタワー内にある飲食テナントの商品を、同じくタワー内に入居する法人テナント勤務者に向けて届けるデリバリーサービスです。

 商業施設内にクライアントを絞るにあたり、木村さんがこだわったのは「配達の品質」でした。デリバリーで届けられる料理であっても、商業施設を訪れたときとできるだけ近い体験を味わってほしい。そう考えた木村さんは、ある思い切った決断に出ます。

 「デリバリーを担当するスタッフを全員、自社で雇用することにしました。具体的には、百貨店の勤務経験者や接客経験者など接客の経験が豊富な方々を、弊社サービスの配達スタッフとして採用しています。結果として、配達の品質へのこだわりを信頼し、サービスの利用を継続してくれる方々が着実に増えてきている。こだわりが自然と、競合サービスとの差別化にもつながっていると実感しています」

 「LANDMARK SHIPPING」はローンチ以来、順調にサービスとしての成長を続けていきました。しかし、2020年に入り新型コロナウイルスの流行がもたらしたダメージの大きさは、木村さんの想像を超えるものだったと振り返ります。

 「商業施設の一斉休業により届ける商品がなくなってしまった一方で、在宅勤務の普及で届ける相手までもいなくなってしまい…、一時はバーンレートもかなり高くなり、会社としても予断を許さないような状況が続きました。

 しかし、株主や協業先の皆様にも協力をいただきながら、自宅配達も可能なフードデリバリーサービスを新たにリリースするなどの試行錯誤を重ね、なんとかピンチを乗り切ることができました。今では、全社の売上が上昇傾向になるまで持ち直せています」

 この後、話題はスカイファームが見据える展望へと移っていきます。スカイファームが描く青写真について、木村さんが意気込みを語り、イベントは締めくくられました。

 「私たちが目指すのは、一つでも多くのお店が、お客様とより良い関係性を築ける世界をつくることです。飲食店をはじめとした『お店』と『お客様』がお互いをより信頼し、支え合えるような関係性を、世の中に一つでも多く増やしたいと思っています。

 そのために、今後はデリバリーに限らず、テイクアウトやテーブルオーダーのサービス提供などにも挑戦したいと考えています。今後も理想の実現に向けて、柔軟にチャレンジを続けていくつもりです」

三菱地所が運営する「東京21cクラブ」は、ビジネス・アクセス共に利便性の高い東京駅前・新丸の内ビルに拠点を構え、国内外の先端スタートアップや大企業、その他様々なプロフェッショナル約600名が集うオープンイノベーションに特化した起業家支援コミュニティです。オンラインを含むイベントやセミナーなどを通じて、ミートアップなどの企業同士の交流の場を提供し、新規事業開発支援を行っています。

【CONNECT in 丸の内】では、三菱地所が運営する国内外のスタートアップとそのサポーター約600名が集う起業家支援コミュニティ「東京21cクラブ」による、イノベーション創出支援を目的とした活動の一部をご紹介します! アーカイブはこちら

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