【社長を目指す方程式】中だるみ撃退! いつでもどこでも「やる気スイッチ」、5つの方法

 
※画像はイメージです(Getty Images)

 【社長を目指す方程式】こんにちは、経営者JPの井上です。

 早いですね、気がつけば2019年も2カ月が経ちました。

 新年の誓いも何処へやら(ではないかと推察します。いかがでしょうか?…笑)。日常に埋没して気持ちが少しだれてくる時期でもあります。そこで今回は、誰でもできる「すぐにやる気スイッチを入れられる方法」をご紹介します。どこでもすぐにできるものをチョイスしました。ぜひトライしてみてください。

 「とにかく、まずやり始める!」

 気分新たな2019年も、3月に入ってすっかり新年気分も記憶の彼方に飛び去り、目前には年度末と新年度が迫りつつある…。そんな中、日常のルーティンも累積しつつあって、「ああ、今日もまた、昨日までの宿題が溜まっているなぁ…」。眠い目をこすりつつ出勤し、机の前に向かいますが、今ひとつ気分が乗ってこない…。何かやる気が起きる方法はないものだろうか。そんなことを考えつつ、コーヒーを飲みながら、意味なく机の上の書類の山の整理を始めるあなた…。

 気分一新、やる気が起きる方法はないものだろうか。気分が一新したら、すぐにでも雑務に向かうのに。そんなことをお考えではないでしょうか?

 これ、実は順番が逆なのです。

 やる気が起きるのを待っていても、いつまでたってもやる気が訪れることはないでしょう。それよりも手っ取り早い方法があります。

 「やる気が起きる前に、まず、とにかくやり始める」

 もしこの経験がない人は、騙されたと思ってやってみてください。だるくても、かったるくても、それこそやる気がなくても、無問題! そんなことはどうでも良いので、グダグダ考えたり言ったりしている暇があったら、まず、やり始める。

 作業し始めると、あら不思議! 気がつけば、その作業に没頭している自分を発見することでしょう。

今回の社長を目指す法則・方程式:

「作業興奮」、他

 とにかくやり始めれば、「やる気スイッチ」がオンになる。これは、「作業興奮」として心理学的に実証されているのです。人間は、考えたり心で念じたりするよりも、実際に作業動作することのほうが脳に与える影響が大きいのです。脳の側坐核という部位が「やる気のスイッチ」となっているそうなのですが、一度作業を始めると、この側坐核が働き始め「やる気スイッチ」が入り、なかなかやめられなくなってしまうのです。

 信じる? 信じない? 四の五の言っている暇があったら、まず作業をやり始めてみましょう! 気がつけば業務没頭、爽快な時間を得られること、間違いなし。保証します!

 「笑顔を作れば、気分爽快!」

 そうは言ってもなぁ、毎日忙しくてほんと憂鬱だよ…。

そんなあなた、前項の方法を応用して、いつでもすぐに気分爽快、元気になれる方法を伝授しましょう。

 心理学で実証されていることですが、「人は悲しいから泣く」「楽しいから笑顔になる」は、それはそうなのですが、必ずしも真実ではないのです。

 楽しいから、幸せだから笑顔になる、のではなく、笑うから(=笑顔という表情を作ることで)人は楽しく感じる、幸せな気分になるのです!

 これも眉唾に感じる読者の方もいらっしゃるかもしれません。今回ご紹介する方法論は、いずれも全て〈スピリチュアル〉なものではなく、心理学的に実証されているものだけです。

 心理学者のクラフトとプレスマンは、口に箸をくわえさせて実験を行なっています。

・笑顔になるようなくわえ方

・口角だけがあがるくわえ方

・笑顔にならないくわえ方

 この被験者にストレスのかかる作業を何種類かやらせたところ、笑顔になるようなくわえ方をした被験者がダントツで、作業中の心拍数やストレスが低いという結果が出たそうです。

今回の社長を目指す法則・方程式:

「作業興奮」、他

 タフな状況は誰しも一緒だったとして、その場を笑顔を作り楽しもうというスタンスで臨んだ人が、「なんだよ、こんな作業やらせやがって」と真っ当に受け止め不満を持ちネガティブな気持ちと表情の人を、スイスイと追い抜いて良い結果を出し、自分の精神も健全になると。

 これはやらねば損!ではないですか?

 どのような状況にあっても、笑顔を作れば、気分爽快、元気になるのです。

 「手足を動かせば、更に気分UP!」

 前項の理論を、更に大きく発揮させる方法。それは、体を使うことです。

 体の中でも、より主導権が強いのが「頭部より下」なのだそうです。自分の意志で動かしやすい手足が、より優位に心に働きかける力があるのです。

 サンフランシスコ州立大のペパー教授によれば、被験者たちにスキップや変なポーズをさせて自分が感じるエネルギーの変化を調べたところ、ポーズ、動作を取るほど愉快、元気になっていったそうです。

 ガッツポーズなどはこの効用が感じ取れるために、ルーティンとして定着したのかもしれませんね。

 手足を動かせば、更に気分UP!です。

 「背筋を伸ばせば、自信UP!」

 日本人は通勤時などに、一様に黙々と下向き加減で足早に歩く習性があります。不思議なことに、うつむいた姿勢だと心も内向きに、気分的に沈みがちになるものです。科学的実証ではないと思いますが、著述家・講演家の斎藤一人さんは、「空を見上げて歩いていると、頑張っても沈んだ気分にはなれないよ」とおっしゃっています。あながちその通りではないかと感じます。

 ハーバード大学の社会心理学者、カディ教授は、堂々とした姿勢を取らせた被験者と、縮こまった姿勢を取らせた被験者とで、それぞれギャンブルをさせたところ、堂々とした姿勢を取らせた被験者のほうがリスクの高い賭けに好んで出るという結果が出たそうです。

今回の社長を目指す法則・方程式:

「作業興奮」、他

 さらにその被験者たちの唾液を検査したところ、堂々とした姿勢の被験者からは「テストステロン」の増加が見られたとのこと。テストステロンは、決断力・積極性・攻撃性・負けず嫌いなどに関係するホルモンです。同時に「コルチゾール」の低下も見られたとか。コルチゾールはストレスホルモンで、これが多く分泌されると、頭が真っ白になるなどします。

 背筋を伸ばせば、ストレスホルモンが減少し、自信がUPします! これは精神論ではなく、上記の通りの生理学的な現象なのです。

 背中が丸まっていると感じたら、「ピン!」と背筋を伸ばしましょう。それだけで、積極ホルモンが増加し、ストレスホルモンが減るのですから、こんなに安くて効果的なポジティブアクションはないですよね!

 「あえて『ボーッ』とすると、脳は15倍働く!」

 気合い系の方法を4つ、ご紹介しました。最後の一つは、ゆる系です(笑)。

 常に張り詰めた状況、仕事に四六時中追われている状況は、やはり脳にも体にもよくありません。やるときはやる!が大事ですが、それも一定程度を超えた先の持続性には限界がありますから、しっかり休息を取ることは大事ですよね。

 私も経験上そう思うのですが、なんと、少し異なる理由から、私たちは「ボーッ」としたほうがよいのだと言うのです!

 どう言うことかと言いますと、実は私たちの脳は、意識的に活動しているときよりも、「ボーッ」としているときのほうが15倍もエネルギーを使っているのだとか。

今回の社長を目指す法則・方程式:

「作業興奮」、他

 ワシントン大学医学部のレイクル教授らによると、脳を使っているときと「ボーッ」としているときとで脳の働きを比較したところ、「ボーッ」としているときのほうが、記憶に関する部位や価値判断に関する部位が活発に働いていることがわかったのです。

 アイデアの技法などで、最初にいろいろと情報収拾をしてあれやこれやと考えたあと、いったんそこから離れて何も考えない時間(「ボーッ」とする時間)を持つことで、閃きを得られるということが語られますが、これは私たちの身体的・生理的な機能から実証されていたことだったのですね。

 あえて「ボーッ」とすることで、脳を通常の15倍働かせる。寝ているときに働いてくれる小人の話みたいですが、これは活用しない手はないですね!

 社長になる人は、セルフメンテナンス力、行動管理能力に優れています。皆さん、いかがですか?

 年度末、新年度に向けて、改めてギアを入れたいこの時期。5つの方法で「やる気スイッチ」を入れて、新元号スタートに向かって走りましょう!

【プロフィール】井上和幸(いのうえ・かずゆき)

株式会社経営者JP代表取締役社長・CEO

1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。
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【社長を目指す方程式】は井上和幸さんがトップへとキャリアアップしていくために必要な仕事術を伝授する連載コラムです。更新は原則隔週月曜日。

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