こんにちは。株式会社スマートメディアCEOの成井五久実です。「会社で女性社員とうまくやる方法」についてお伝えしている本連載ですが、前回の上司のセクハラ・パワハラ問題に続き、今回は“男性上司と女性上司のどちらが女性社員にとって接しやすいと感じているか”をテーマに座談会を行いました。
同性の方がいろいろなことを分かり合えて、マネジメントしやすいのではと考える方も多いと思いますが実際のところ、違うようです…。
女性は「派閥」で苦労する
今回も20~30代女性のリアルな本音を座談会形式でご紹介します。参加してくれたのは、前回に引き続き営業系のAさん(30代)、Bさん(20代)、人事総務系のCさん(30代)の3人。
成井:男性上司と女性上司、両方いると思いますが、どちらがやりやすいとかはありますか?
Bさん:女性の上司は自分が一番じゃないと気に入らない、という人がいますよね。一度、取引先との飲み会ではしゃいで、目立つと翌日怒られる、とか経験があります。私の話で盛り上がっていたので、取引先の方にも楽しかったと好評だったはずなんですが…。女性同士だと張り合うので、私は男性上司との方が仕事はしやすいかな。
Cさん:女性が多い会社だと派閥もできやすいですよね。中学生女子のように、トイレに行くのもランチに行くのも一緒じゃなきゃ嫌、という上司には困りました。
しかも、女子で集まると大体誰かの悪口大会になるんですよね。旅行に誘われた時も、行かないと自分がターゲットになってしまうので断れませんでした。
成井:それはパワハラでもありますね。でも、女性らしいかも。
Cさん:気に入られると、ミスをした時にかばってもらえたりはするので、女性上司のメリットもあるんですけどね。
男性はあっさりしていて、人の好き嫌いがはっきりしているので、派閥が見えやすいという点では楽かも。女性は表面上はうまくやってるから、見抜くのも大変。女社会って怖いですよね(笑)。そういうのに抵抗を感じない人が残っていくんだと思います。
男性マインドを持った女性上司が理想?
成井:男性上司の方がやりやすいってのは総意なんですね。
Bさん:あ、でも成井さんは別です。私が本当に切羽詰まってた時に、カフェで仕事の相談をしようと思ってたら、「Bちゃんの人生について聞きたかったんだよね」と言われて。会社のことよりも、私の理想の人生や、キャリアプランを心配してくれて、人生設計まで考えてくれた上司は初めてでした。成井さんじゃなかったら、1カ月くらいで辞めてたかもしれない。
成井:気を遣っていただいて、ありがとうございます(笑)。私は女性上司として怒るマネジメントをしたくない、というのはあるかも。私は体育会系の営業畑で育ったから、デスクを蹴られたり、暴言を吐かれたりするのは当たり前だったんですよね。自分がやられたことって他の人にもやりがちだけど、怒って改善するものでもないなとは思ってます。まぁ、ちょっとのことでイライラしてしまって部下に強く言ってしまったりはするんですけど…まだマネジメントは手探りですね。
Aさん:それに自分で気づける人ってすごいと思います。前職の女性上司がまさにそれだったんですけど、「私はこれに耐えてきたの!」と苦労話をしながら、下の世代に同じことをやってました。
Cさん:成井さんはいい意味で「女性男性」なんですよね。男性経営者の中に交じっても負けないパワフルさがある、というか。結局のところ、さっぱりとした男性マインドを持った女性上司が部下としては、一番安心してついていこうと思えます。
成井:皆さん、ありがとうございます。なんかすみません、恐縮です。
男性&女性上司にまつわるリアルな女性社員の本音、いかがでしたでしょうか?
意外にも女性にとっては同性の上司の方が、同性としての気持ちがわかってしまう分、付き合いにくいと感じることも多いようです。そう考えると、女性部下を持つ男性は少し肩の力が抜けるのではないでしょうか。
一方で、男性上司と向き合う上で困ることを私の会社の女性社員に聞いてみると、「体調不良の悩み」や「休日の過ごし方や異性関係などプライベートな質問に」が挙がりました。業務外のことでのコミュニケーションに迷う傾向にあるようですね。
業務上のコミュニケーション(ホウレンソウ=報連相など)に関しては、女性上司よりも男性上司の方が感情的に返答されにくい分ラクであるという見方のようです。
少しでも皆さんのマネジメントの参考になれば幸いです!
【女性起業家のOLトリセツ】は成井五久実さんが職場の女性との上手な接し方を教える連載コラムです。更新は原則第3水曜日。アーカイブはこちら