特殊詐欺被害、手口巧妙に 件数大幅減少、和歌山のケースで考える
全国で特殊詐欺被害が後を絶たない中、和歌山県内では今年に入り、発生件数や被害金額がともに例年より大幅に減少している。県民の警戒心が高まっていることがうかがえる一方、犯行の手口はますます巧妙化している。県警も被害防止の啓発活動に取り組んでいる。
県警生活安全企画課によると、今年8月末時点で県内の特殊詐欺被害件数は21件(前年同期比12件減)。被害総額は前年比の6分の1にあたる約3260万円となっている。
ただ、その手口は「手交型オレオレ詐欺」と「架空請求詐欺」に二極化しているという。
今年で11件発生した手交型詐欺は、主に犯人が警察官や銀行職員などを名乗って電話をかけた上で、被害者宅を訪れ、キャッシュカードをだまし取る手口。近年は、封筒にカードを入れさせて、被害者が目を離したすきに中身をすり替える「すり替え型」も多発している。
今月6日には、和歌山市の70代女性が警察官を名乗る男から、キャッシュカードの詐欺被害防止の指導という名目で電話を受けた。自宅を訪れた男に「すり替え型」の手口でカードをだまし取られ、後に現金約83万円が引き出されていた。
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一方、今年で10件発生した架空請求詐欺は、主に裁判所関係者を装って訴訟費用を請求する名目の偽はがきを送りつけ、被害者の不安をあおり、自発的に犯人に連絡させる手口。最近は電子マネーや仮想通貨を買うよう指示するケースが目立つという。
6~7月には同県岩出市で30代の女性が電子マネー230万円分を複数回にわけて購入させられ、だまし取られる被害があった。
いずれも巧妙に被害者の不安をあおり、嘘の内容を信じ込ませる悪質な手口。被害者の7割は65歳以上の高齢者だが、今年は30~50代が被害に遭うケースも相次いでおり、若年、中年層も注意が必要という。
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県警では毎月10日を「特殊詐欺被害防止強化の日」とし、各地で啓発活動に励んでいる。
今月11日には和歌山市のスーパーで警察官らが啓発用のチラシを配り、買い物客に注意を呼びかけた。チラシを受け取った市内の無職、森武さん(79)は「怪しい電話があっても相手にしないようにしたい」と話していた。
同課の崎口忠次席は「キャッシュカードは絶対に誰にも渡してはいけないし、お金を請求するはがきやメールが届いても、自分から連絡してはいけない。怪しいなと思ったら、すぐに警察に相談してほしい」としている。
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身に覚えのない不審な電話やはがきなどがきた場合の相談は、最寄りの警察署か電話相談窓口(073・432・0110、♯9110)。
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