元受付嬢CEOの視線

悲哀に満ちた「サラリーマン川柳」から読み解く ビジネス新時代の生き残り方 (3/3ページ)

橋本真里子
橋本真里子

 過去に、起業家の先輩が「俺は今の会社をクビになっても(社長なのに)、また自分の会社で働きたい。なぜなら自分が職場のメンバーたちと共にやってきた仕事がとても素晴らしいものだったから」とおっしゃっていたことを覚えています。きれい事に聞こえるかもしれませんが、私もこんな風に言えるようになりたいと思いました。

 素晴らしいチームで素晴らしい仕事ができていれば、自分がどうしてもやり遂げたい仕事であれば、たとえ自分の立場が納得のいくものではなかったとしても現場に残りたいと思えるということだと思います。

 今の私は同じことを言えると思います。「誰と仕事をしている」ということより「どんな仕事をしている」のほうが私にとってはとても重要だからです。もちろん、一緒に仕事をしている仲間は誇りですし、「この人と一緒に仕事をし続けたい」と思うこともあります。しかし、こればかりはどうしようもありません。それぞれの人生です。ずっとこの時間が続くことは非常に難しいことも承知しているからです。

 これからの時代、「組織」において、上司から部下へ一方通行の指示よりも、部下から意見を吸い上げて動ける上司なのかどうかが重要視されるのではないでしょうか。

◇◇◇

 サラリーマン川柳、こうしてみると本当に奥が深いです。

 さらっと読んでも十分楽しめますが、こうしていくつかの句にフォーカスしてみると普段見落としがちなことに気付けます。これも、こうして毎年話題になっている理由かもしれません。

 平成最後の大賞はどの句になるのでしょうか!? きっと平成という時代を象徴する川柳になり、語り継がれることでしょう。

橋本真里子(はしもと・まりこ)
橋本真里子(はしもと・まりこ) ディライテッド株式会社代表取締役CEO
1981年生まれ。三重県鈴鹿市出身。武蔵野女子大学(現・武蔵野大学)英語英米文学科卒業。2005年より、トランスコスモスにて受付のキャリアをスタート。その後USEN、ミクシィやGMOインターネットなど、上場企業5社の受付に従事。受付嬢として11年、のべ120万人以上の接客を担当。長年の受付業務経験を生かしながら、受付の効率化を目指し、16年にディライテッドを設立。17年に、クラウド型受付システム「RECEPTIONIST」をリリース。

【元受付嬢CEOの視線】は受付嬢から起業家に転身した橋本真里子さんが“受付と企業の裏側”を紹介する連載コラムです。更新は隔週木曜日。アーカイブはこちら

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