CAのここだけの話♪

翼をください! 新人CAのとってもハードな訓練事情…涙を流すクラスメイトも (1/3ページ)

辰巳彩菜

 SankeiBizの読者のみなさんだけに客室乗務員(CA)がこっそり教える「ここだけ」の話。第50回は中東系航空会社で日本人CAとして乗務2年目の辰巳彩菜がお送りいたします。

 CAとして採用された! …と言っても、すぐに乗務することはできません。入社したてはまだ何の知識もありません。まだまだ「卵」の状態ですね。この状態からCAとして空に羽ばたくためには、トレーニングが必要不可欠です。

みっちり週6日間 ハードな訓練スケジュール

 私が勤める会社では約2カ月の訓練期間がありますが、一日約8時間、週に6日間ぶっ通しで行われます。この2カ月間は、大きく分けて3項目を学びます。

〈1〉安全(Safety)
〈2〉応急処置(First Aid)
〈3〉サービス(Service)

 訓練は〈1〉→〈2〉→〈3〉の順番で行われますが、この順番が私たちCAにとって優先すべき順位になのです。「何よりも安全を優先しなさい」と教わるわけです。

 それでは具体的に何を学ぶのか紹介していきます。

期間の半分を費やす「安全」訓練 予測できない炎にドキドキ

 どれだけサービスが良くて、食事がおいしいと評判の航空会社であっても、安全面に不安があったら当然、使う気になりませんよね。私たち航空会社の根本的なゴールはお客様を目的地まで無事に送り届けることです。そのため、この項目はCAにとって最も必要であり重視するべきもので、訓練期間の約半分である4週間もの時間を割きます。

 「安全」は本当にカバーする内容が多く、ここで全てを説明すると何百ページにも及んでしまいます。そこで、簡単に挙げてみますと、非常事態への対処、機材の基本的な知識、航空法について、機器の取り扱い方などが主な項目です。

 いろいろある中で、最も重きを置くのがやはり非常事態への対処です。昨今、飛行機はとても安全な乗り物と言われますが、万が一の際私たちCAが常に保安要員として迅速に動くことができるように備えておく必要があります。

 「非常事態」と一口に言っても内容は様々で、例えば、▼機内での火災▼ディコンプレッション(機内の減圧)▼ディッチング(不時着水)▼陸上での乗客の避難▼ハイジャック▼暴れる乗客…などがあります。こういった事態への対処法は航空会社によって定められた規範があり、それを全て暗記しすぐに行動できるようにしなければなりません。もしもの時に迷えば、命取りになるかもしれないからです。

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