入団後、ブロードウェー・ミュージカル「グランドホテル」(93年初演)を手掛けた。ミュージカルの魅力は「歌と踊りと芝居の良さが合理的にミックスしていること」だと話す。
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宝塚劇団の発展には、ミュージカルのほか、「レビュー」の成功がある。
明確な台詞や筋書きよりも、歌と踊りで演出するショー形式のレビュー。欧州で人気を集め、宝塚では1927年から上演。宝塚の演目は芝居(ミュージカル)と、レビューやショーの2本立てで上演されるのがオーソドックスなスタイルだ。
自身は84年から「ロマンチック・レビューシリーズ」と呼ばれるレビューを手掛け、昨年20作目を送り出した。岡田氏は「歌や踊りをただつないでいるわけではない。さまざまな物語が詰まっているんです。レビューこそドラマ」と解説する。例えばシリーズ19作目の中には、ロシアの館を舞台に軍人と令嬢の切ない物語を描いたシーンがある。「トルストイの小説に、こんな世界観があったわね、とうっすらと感じてもらえる場面。メッセージをほのかに感じる作品が私のベース」と話す。
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今、これからの宝塚歌劇のミュージカルやレビューに対し、愛情を込めて警鐘を鳴らす。吉崎氏は「昔は、歌として個性的な響きを持ったスターが多かった。今はみな、器用だけど、同じように聞こえる。歌う人の個性や意志が自主的に出ない」。