中国観察

無人コンビニ、どうなった? 試行錯誤が続く中国の小売市場 (1/4ページ)

 急速な勢いで変化を続ける中国経済。とりわけ13億人超の消費者と直接関わる流通・小売業界では、実店舗とオンラインが入り乱れた新たなビジネスモデルの模索が激しさを増しており、スマートフォンを使ったキャッシュレス決済や無人のコンビニエンスストアの拡大は日本でも話題となった。最近は米国との貿易摩擦による影響が注目される中国経済だが、巨大消費市場をめぐって流通・小売業界の変化もめまぐるしくなっている。(三塚聖平)

 ネット小売りは2桁成長を維持

 まず中国の消費市場全体を見ると、2018年は成長率が減速した。中国国家統計局の発表によると、消費動向を示す社会消費品小売総額は前年比9.0%増(17年は10.2%増)となった。近年は2桁の高い成長が続いていたが、03年以来15年ぶりの1桁成長に留まった。

 主因と目されているのは、自動車販売の落ち込みだ。中国自動車工業協会が発表した18年の新車販売台数は、前年比2.8%減の2808万600台。前年割れに陥ったのは、経済にも混乱をもたらした天安門事件(1989年)の翌年にあたる90年以来28年ぶりだ。これは政府による小型車減税が2017年末に終了した影響に加え、トランプ米政権との間で深刻化した貿易摩擦が追い打ちをかけたとみられている。

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