ワークスタイル最前線

経験生かしてシニア起業 自治体融資やネット活用 (2/2ページ)

 愛犬家サポート事業

 「リタイア後も働くことしか考えてなかった」。神奈川県茅ケ崎市の安田勝さん(64)が起業したのは61歳の時。目を付けたのは愛犬家のサポート事業だ。中小企業庁から返済不要の創業補助金を受け、会社員時代に取った行政書士の資格を生かしてペット向けの信託契約の紹介を始めた。高齢者がペットを飼えなくなった時のために、あらかじめ飼育費の委託や使い道を決める仕組みだ。

 開業から1年半は「長いトンネルだった」と振り返る。ネットの相談サイトで知名度を上げたり、地元のドッグカフェに飛び込んで信託のセミナーを企画したりと顧客開拓の工夫を重ねた。起業前は広告営業や住宅展示場の企画運営に携わっており「経験が財産になった」という。

 最近は相続や終活についての講演も行う。「60歳過ぎた人間からの助言だと同世代の高齢者に素直に聞いてもらえる」と、シニアならではの強みを感じている。

 日本政策金融公庫総合研究所の2018年の新規開業実態調査によると、開業時の平均年齢は43.3歳で、6年連続で上昇。1991年の調査開始以降で最も高かった。50代以上は26.3%に増加した。1000万円未満で開業する人は68.4%に上る。

 同研究所は「最近増えているのは趣味や特技を生かすなど自己実現としての開業。大きな設備費がいらない場合も多い。ネットやシェアオフィスの普及で開業に必要なものが減った影響もある」と分析する。

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