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英語のやり取りでは「時候」の代わりに何話す? 英会話でのビジネスマナー (1/4ページ)

ステレンフェルト幸子

 日本語学習者に不評な「時候の挨拶」

 海外でビジネス目的の日本語を教えていて、ある程度のレベルに達した生徒からブーブー文句を言われる学習事項の一つに「時候の挨拶を含む一連のご挨拶」がある。

 簡単なメールを一本入れるだけなのになぜ「拝啓」などの意味の分からぬ頭語から始め、「貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」や「風薫る五月、貴社の皆様におかれましては…」などと今どき聞いたこともないサムライ風の挨拶をし、やっと本題を言えたと思ったら今度は「暑さ厳しき折、ご一同様のご健康をくれぐれもお祈り申し上げます」などと祈ってもいない相手の健康に結びの言葉で言及し、更にダメ押しで「敬具」などと謎の言葉(結語)を足さねばならぬのか? と、非常に不評だ。

 しかし形式と礼儀を重んじる日本語でビジネスをする際、「先週注文分の納品はいつですか? 以上」などというメールはかなり拙い。コピペでもいいからとにかく毎回入れろ、と口を酸っぱくして言うことになる。

 英文ビジネスメールの「一連の挨拶」、日本と違う点は?

 しかし一方、そんな風に日本のビジネスコミュニケーションの煩雑さに文句を言う英語圏(と言っても広いので、この稿では筆者がやり取りをした経験のある英米や英語の通じやすい西ヨーロッパあたりの、無難なビジネス文化を指すこととさせてほしい)のビジネスマンたちにメールをしたり電話をしたりする時に、いきなり要件を述べていいのか? というと、やはりそれはちょっと拙いのだ。

 端的に言うと、彼らのビジネストークは、「ちょっとした個人的なおしゃべり」を枕にすることが多い。そしてこれができるとぐっと距離感が縮まって話がスムーズになるのだが、これはつまり相手に興味を示し、そして一度聞いたことは覚えていないといけないということで、これが純日本人の筆者にはかえって難しかったりする。

 特に筆者が生活のベースとしているオランダは、皆さんビジネス好きでおしゃべり好き。「本題」しか頭に置かず取材先に電話をして気まずい思いをしたり、英語でメールを打っていて「えーっと、どうやって結ぼうかな?」と手が止まったことも一度や二度ではない。

 それでも数年の蓄積で「無難なビジネス冒頭トーク」を(主に仕事相手から)ある程度学び、かつ世界中の取引先と日々やり取りをしている会社員のヨーロッパ人の夫からも色々な体験談を聞いたので、皆さんと共有したい。

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