台風シーズンを前に、換気装置メーカーの流機エンジニアリング(東京都)は10日、大型送風機で風速80メートルの暴風を起こして「スーパー台風」を再現する実験を茨城県筑西市で実施し、地元住民らが暴風の脅威を体験した。
実験に使用したのは長さ約10.5メートル、直径2.2メートルの大型送風機で、通常はトンネル工事の際の換気などに用いられている。
この日は、風速30メートルと風速80メートルの2段階の強さの風を起こし、傘を差した状態や自転車で走行する実験などが行われた。
風速30メートルでは傘を差していてもかろうじて歩くことができたが、風速80メートルになると傘の骨が壊れ、まっすぐに歩行することも難しく、自転車は風で吹き飛ばされていた。
流機エンジニアリングは、筑西市に実験拠点があることから、地元住民に台風に備える意識を高めてもらおうと実験を行った。西村司社長は「天気予報で『風速何メートル』と聞いても実感はないが、実際に見て体験することで風の怖さを知ってほしい」と話した。