キャリア

「37人目までは無条件に不採用」100人から“優秀な1人”を確実に選ぶ方法 (2/4ページ)

 「明らかに間違うよりは、おおむね正しいほうがいい」

 この「秘書問題」は、もともとは「結婚問題」と呼ばれていた。

 何人目の交際相手で結婚を決めるべきかが問われていたが、一生のうちに配偶者を何人持つかはあらかじめわからないため、この問題の題材としては理想的とは言えない。そのため数学者たちは、呼び名を変更したというわけである。

 だが、私は、よい人生には数学のような正確さが大事だと言いたくて、秘書問題を取り上げたわけではない。伝説的な投資家のウォーレン・バフェットも「明らかに間違うよりは、おおむね正しいほうがいい」と言っている。

 私たちも人生において大事な決断を下すときには、バフェットが投資の決断をするときのこの姿勢をまねたほうがいい。

 大事な決断こそ「急がば回れ」

 それでは、私たちの人生と数学の秘書問題には、どんな関係があるのだろう? 秘書問題は、私たちに「目安」を与えてくれる。

 重要なことを決めるときに、「どのぐらいいろいろなことを試してみてから、最終決定を下すべきか」その指針を示してくれるのだ。

 「秘書問題」を試して、自分が出した答えを適切な解法と比べてみると、たいていの人は、採用する応募者を決める自分のタイミングが「早すぎる」のに気づくはずだ。それでは最適な選択ができる確率は低くなる。

 数多のスポーツや作家の中からお気に入りを見つけ出したり、人生のパートナーや住む場所や楽器や夏休みを過ごす場所を選び出したり、自分に最適なキャリアや職業や専門分野を決めたりするときには、まず短期間にたくさんの選択肢を試してみたほうがいい。

 興味があるものだけに限らず、できるだけたくさんのものを試してから、最終的な判断を下すのだ。どんな選択肢があるか、全体像をつかむ前にひとつを選びとってしまうのでは、早計すぎる。

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