働き方

もう遅れはとれない…日本生命は“男性育休100%”をどう達成したか (2/4ページ)

 東京2020大会は、生命保険もプレイサポートで

 大阪の本店で人材研修などを担う部署で働く北間優衣さんは、入社2年目。先天性の身体障害を抱える。大学3年時、障害者を積極的に雇用する特例子会社「ニッセイ・ニュークリエーション」でインターンを経験し、こうしたやりがいのある会社で働きたいと思った。

 「子どもの頃から両親は、障害者だからという理由で私に何かを禁止したことはなく、普通学級に通い、体育の授業も水泳も一緒に参加しました。だから、仕事もフルで働こうと考えていました」

 しかし、中学時代からプレーしている車椅子バスケでは、日本のパラリンピック強化指定選手に選ばれ、大会でMVPも取得するほど。「2020の自国開催で結果を出したい」という強い思いとの間で揺れていた。

 日本生命は、15年には東京オリンピック・パラリンピックのゴールドパートナーとしての協賛が決まっており、決定から半年後には専門の推進部を社内に立ち上げていた。

 「生命保険事業でも、オリンピックやパラリンピックでも、“支える”というのが重要なキーワード。全国に支社と営業職員がいるわが社だからこそ、東京だけに集中せずに日本中を盛り上げるサポートがしていける。“プレイサポート”をテーマに、選手を、そして人々の生活を支えていきます」と、清水博社長にも意気込みが感じられる。

 日本生命は、北間さんの悩みを受け止め、アスリート雇用枠での就職が決まった。週2日出社し、残りは練習に参加。日本代表候補ともなると、練習は週5日以上。出社日も退社後に練習に向かい、合宿も年間120日以上ある。

 「最初は周囲も私にどんな仕事を頼むか悩んでいたようですが、障害と車椅子バスケについて話をする時間を2回ほどもらったところ、徐々に私に対する理解が広まり、任される仕事も増えました」

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus